ニューバランスの大定番「ML574」が多くの人に愛される理由

  • 文:小暮昌弘(LOST & FOUND) 写真:宇田川 淳 スタイリング:井藤成一

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ニューバランスのアイコニックなモデルである「574」をベースに、各部のシューズ構造や木型などを見直し、フィット性、クッション性、グリップ性をアップデートさせた「ML574」。同ブランドらしいグレーのカラーリング、スエード×メッシュの素材づかいが特徴。¥10,890(税込)/ニューバランス

「大人の名品図鑑」スニーカー編#5

空前のスニーカーブーム。毎日のように新作が発表され、バブルと言っても過言ではない状況だ。スニーカーはもはや自分を表現する大切なツール。ファッションを超えた文化=カルチャーに近い存在だ。今回は、名品と呼ばれるスニーカーが誕生した時代背景やその特徴、アイコンとして登場する映画などについて紹介する。

人気のスニーカーブランド、ニューバランスが生まれたのは1906年。誕生はアメリカのボストンで、矯正靴などの製造からスタートした。ブランド名は履いた人に新しい(NEW)、バランス(BALANCE)感覚をもたらすことを考えて付けられた。1970年代に本格的なランニングシューズブランドとして歩み出し、現在ではランニング以外にも各種のスポーツ用シューズからアパレルまでを手がけるほどに大きく成長を遂げている。

同ブランドのシューズを象徴するのが数字を使ったモデル名と言えるだろう。アップルの創設者スティーブ・ジョブズが愛用したのが「M991」や「M992」。第42代米大統領のビル・クリントンがジョギングを楽しむ時に履いたのが「M1500」。天才ポップアーティスト、アンディ・ウォーホルは映画『トッツイー』(82年)に本人役で出演しているが、その時に彼が履いたのがバーガンディの「M730」だ。

「1000番台が私は好き」「いやいや僕は990シリーズをずっと買い続けている」と、まるで外車のモデル名を並べるようにスニーカー好きは品番で “ニューバランス愛”を力説する。まさにシューズそれぞれに付けられた品番はニューバランスでは大きな意味をもつ。

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あのブラッド・ピットも履いた「ML574」

昨年発行された『ポパイ』12月号の『誰かと話したくなる映画』という特集で、スニーカー好き、ニューバランス好きならばチェックしておきたい記事を発見した。映画に登場する靴を3人で語り合うページがあり、レコードジャケットのイラストなども手がけるTEGAKIさんという人が、ガイ・リッチーが監督した『スナッチ』(2000年)で、ボクサー役のブラッド・ピットがニューバランスを履いていると語っていた。しかも「M576と思いきや、アウトソールのディテールやパターンを吟味すると“ゲットーコンフィー”と呼ばれたML574だったんです。確かに庶民的なモデルだし、990シリーズ主流のいまとなっては新鮮」とまで詳細に解説している。ちなみに「ゲットーコンフィー」とは2000年代にストリートで使われた快適という意味のスラング。

さっそく『スナッチ』を観てみた。ブラピがスニーカーを履いてリングに上がるのが映画の終盤。相手に強烈なパンチを喰らい、足が水平になるくらいブラピが“飛ぶ”シーンで、シューズが画面中央を横切る。何度か一時停止して観てみたが、そのシューズがニューバランスであることはソールの側面のデザインからわかるのだが、品番まで見極めることは私にはできなかった。ネットで『スナッチ』の画像を検索してみると、映画にはなかったリングサイドでブラピが椅子に座る写真を発見した。2層のソールからTEGAKIさんが解説しているようにブラピが履いたのは「574」と見て間違いないだろう。

ブラピが履いた「574」シリーズは、ニューバランスのアイコニックなモデルで、同ブランドの歴史の中でも最も多くの人に履かれたモデルと言われる。ニューバランスらしいデザインとカラーリング、丸みのあるフォルムに加え、ミッドソールに入った「ENCAP」など、高い機能を備えながらも価格が1万円前後と、コストパフォーマンスが高いのが人気の秘密だろう。しかもDと2Eの2種類のウィズ(足囲)が用意され、履く人の最良のフィッティングが得られる。ブラピを含めて多くの人にこの「574」が愛用される理由も、そこにあるのではないだろうか。

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シュータンに入った「Classic」の文字通り、同ブランドの歴史と確かな技術力を感じる名品「574」。その佇まいに風格さえ感じる。
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ミッドソールにはニューバランスの大きな特徴であるクッショニングシステムの「ENCAP」を搭載。加えてグリップ性に優れたアウトソールで快適な履き心地。
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豊富なカラーバリエーションが用意されているのも「574」の特徴だ。好みのカラーリングが選べる。各¥10,890(税込)/ともにニューバランス

問い合わせ先/ニューバランス ジャパンお客様相談室 
TEL:0120-85-0997 
TEL:0120-85-7120(※9月1日(水)以降)
https://shop.newbalance.jp/shop/e/eEnb-574

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ニューバランスの大定番「ML574」が多くの人に愛される理由

  • 文:小暮昌弘(LOST & FOUND) 写真:宇田川 淳 スタイリング:井藤成一

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