収入が4倍に⁉ 服を変えれば人生がうまくいく「3つの理由」

  • 文:潮凪洋介

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“服を変えると、成功する、年収が上がる!”という事実をご存じだろうか?お洒落になったら、内面と実生活が、人生がどう変わるのか。服に投資した価値はあったのか。それを調査し、本人たちのリアル・ボイスとして淡々と読者に伝える『服を変えれば、人生が変わる』(潮凪洋介 著/CCCメディアハウス刊)より一部抜粋。服を変えれば人生がうまくいく3つの理由と、リアルな成功者の声を1つお届けする。

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▶服を変えれば人生がうまくいく理由 その1
→あなたのセルフイメージが服によって上下するから

着る服によって人の“セルフイメージ”は上がったり、下がったりする。無頓着な服を着るだけで人のセルフイメージは簡単に下がる。セルフイメージと言ったが、ここでは「自分はこのような人間である」という自己認識のことである。自分で“低いセルフイメージ”を自身に植えつけてしまえば、そのイメージどおりの行動をしてしまう。行動とは「会話」「思考」「判断」「生き方のビジョン」「仕事への姿勢」「恋愛関係への姿勢」「交友関係への姿勢」などのことである。

休日、家で過ごすときの自分を想像してみていただきたい。スウェットにパーカにサンダル──こういう状態を“リラックスモード”とも言うが、この格好のまま仕事関係者に会うことはできない。また普段遊びに行っているお洒落な店にも行けないし、美しい女性をデートに誘うこともできない。


行動もだらだら、表情も脱力──こんなふうに“内面のソフト”がガラリと変わる。昨日の今日で人生経験も何も変わっていないのに、人間が変わってしまう。休日だからということもあるが、これは〝服装の影響〞だ。部屋着だから人に会えない、会わないというふうになり、特定の場所に行かない、行けないということにつながる。「こんな服の状態の自分は見せられない」という状況的な判断から入る。

もっと言えば、休日であればスウェットとパーカで人に会っても、あなたの評価が下がるとは限らない。しかしそれでも「会うことを避けよう」と、思考回路が働く。つまり人間に搭載された“ソフト”の機能が完全に変化するのである。“行動的で対人関係も積極的なセルフイメージの自分”と“非行動的で対人関係も消極的なセルフイメージの自分”の間で、“自己認識のグラデーション”が起きる。

もし、休日の朝にバシッとお洒落なスーツを着て、カジュアルでもそれなりにお洒落な服を身に着けていたら? そのとたんに人に会いたくなり、お洒落な場所に行きたくなるだろう。すぐに行動的な気持ちに変わってしまうはずだ。無理やりそう思わなくても、自動的に心に変化があらわれる。

服であなたの“セルフイメージ”は簡単に上下する。能動的かつ行動的にポジティブ思考で生きたければ、まずは「服を変えろ」ということだ。気持ちはその後についてくる。無理に心を変えようとしなくても、あなたの内面は数カ月で大きく生まれ変わる。

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▶服を変えれば人生がうまくいく理由 その2
→視覚認識“最初の5秒”であなたの格が決まるから

“人間の印象は最初の5秒で決まる”この理論はすでに世界中で多くの人により語られている。多くの人がこの真実に納得している。これはどういうことか?人は顔のつくり、表情、声、物腰、服、靴など、最初に目に飛び込んでくる“視覚情報”から、この人は印象がよい? 悪い? 尊敬に値する? そうでない? 大切に接するべき? ラフな扱いでいい? などを、5秒で判断してしまうということだ。おそらくこれまでの人生で、あなた自身も無意識でそういう“判断をしてきた”し、逆に無数の“判断をされてきた”のである。どうだろう? いくつもの“反省すべきシーン”が蘇ってはこないだろうか? 

私など、もう数えきれないほどのシーンが思い浮かぶ。実際に仲のいい友人から「服、ダサいね」「よれよれじゃない?」と言われたことが何度かあるが、まさにこれは私にとって天の声だった。反省するきっかけとなった。しかし十中八九、多くの人はそう思っていても“わざわざ”口に出してはくれない。“何も言われない”というのは“そっとしてくれている”ということだ。そのおかげで傷つかずに過ごせるし、落ち込むことはない。“ありのままの自分を愛して生きる”こともできる。しかし、その“物言わぬ審判たち“に選ばれないことによって、私たちの人生は理想の軌道から徐々に逸れはじめる。物言わぬ相手こそが、実はあなたの取引先候補、友人候補、恋人候補だったりするのだ。彼らはどうするか? あなたの前を素通りするか、名刺交換をしても翌日にはあなたを忘れるか、あるいは避けて、何事もなかったかのように日常の生活に戻るかだろう。

そう、出会いの瞬間、あなたは格付けされ、しかもいい位置に着くことに失敗し、多くの機会損失をしてきている。私もあなたも、そして多くの人がそうである。たった5秒。たった5秒で、得られる人、得られない人に分かれてしまう。たった服の生地数枚の違いで──それが服が決める分かれ道であり、服がつくる人生の軌道なのである。しかし、嘆くのは過去のことだけにしておこう。明日から、いや、この1秒後からはもう過去のことなどどうでもいい。人は未来に向かって生きるから輝きを増す。今後はこの5秒に勝てる、あるいは5秒でスポイルされないための自分の外見づくりを楽しもう。

声、話し方、物腰、キャリア、実績、収入、自信などもその人の第一印象を決める要素となる。しかし“服”はそのなかでもいちばん大きい視覚面積を占めるものとなる。しかも、買って着るだけで、いとも簡単に最初の5秒の印象を変えられる。正直な話、服装だけで得をしている人が世の中にはたくさんいる。同じ能力、ホスピタリティー、自己表現力でも“服がかっこいい”だけで選ばれる──そんな人が大勢いる。指をくわえて見ているのではなく、あなたもその仲間にちゃっかりと入ってしまおう。さあ、次はあなたの番だ。

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▶服を変えれば人生がうまくいく理由 その3
→服ひとつで仲よくなれる人が変わるから

服は確実に人間関係を変化させる。服が変われば大きな努力をしなくても、じわりじわりと目に見えて、新しい人間関係が流れ込む。その多くは今まであなたが努力しても手に入れられなかった人間関係ばかりだ。いかなる努力をしても、あるいは思い悩んでいても親しくなることができなかった魅力的な人とのつながりが、嘘のように流れ込む。お洒落な人と仲よくなったり、成功者の知人、友人ができたり、場違いだと思っていた集まりに誘われたり、素敵な異性が集まる会合にお呼ばれしたり、といった機会が発生する。

それには理由がある。世の中は“服のセンス”によって、人間関係に見えない階級がつくられているのだ。ドレスコードは高級レストランだけにあるのではない。日常の中で、「ダサい人お断り」の心理が無数にうごめく──それが世の中のリアルだ。合コンに、パーティに、交流会に、ホームパーティーに、呼ばれない。取捨選択が常識のように行われている。人は服のセンスのクラス(階級)が似た人たち同士で仲よくなる。クラスによって、あなたは今まで線引きをされ、つき合う人としてはカウントされなかった。避けられ、あるいは会合に呼ばれない人としてスルーされてきた。あるいは逆に、自ら線を引いて“仲よくならない人”“あまり親しくしない人”と決めて生きてきた。服は人と人をくっつける“磁石”のような役割を果たし、逆に、人をはじく“引き金”にもなる。無頓着でダサい服を着た人が、お洒落な人に「今度、僕もプライベートで遊びに誘ってくださいよ〜」と強烈にアピールすれば、お洒落な人は必ず戸惑う。「そんなダサい格好をして身の程知らずで失礼なヤツだ!」と立腹する人だっている。

思いやりのある人なら「わかってないな! 俺が教えてやろう」とやんわり服をセンスアップするよう助言してくれるかもしれない。「そのままではプライベートで仲よくしたくない」という心理が発生する──それが〝線引き〞の瞬間である。服がダサい場合、その連鎖でヘアスタイル、アクセサリー、カバン、靴、すべてにその“ダサさ”が連鎖してしまう。そして全体的に「ダサい人」という状態になってしまう。「外見で人を判断して、きっと心が貧しいのね……」そんなことを言う人もいるが、これはきれいごとである。しかも、あなたを判断するのは私ではない。あなたを見る世間の人々みんなである。

卑近な話になるが、女性が本気の合コンや食事会に誘うのは、断然、自分にとっての“一軍男性”に決まっている。自分の株が上がるようなセンスの男性で布陣を固める。間違っても「ダサい集団の一員なのね」と思われるような男性は誘わない。“服選び”は“人間関係を選ぶこと”そのものなのだ。服の魅力に合わせて、魅力的な人のつながりが生まれると、仲よくなれる人が変わりはじめる。つまりは“人間関係を変えたければ服から変えろ”ということになる。しかも、服を変えることは、少々のお金を投資する勇気さえあれば、誰にでも平等にできる“自分革命”なのである。客が服を買うことを拒むアパレル・ショップなどない。あなたが求めれば、スタッフは100%笑顔で対応してくれる。着こなしのアドバイスだってしてくれるのである。さあ、あなたはこの先、どんな人に囲まれたい? 愛されたい? そして仕事で取引をしたいだろうか? どんな服を選ぶかでその人生模様のすべては変わってしまうのである。

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【リアルな事例】
―収入が4倍になった金融マンが、「上司は服を変えなさい」という理由―

植木洋貴さん(35歳)
営業職/プルデンシャル生命保険㈱

目の前の人との会話を心から楽しむ達人。それでいて相手もしっかり楽しませることができる。そんな第一印象の植木洋貴さん(35歳)。植木さんは以前、これといってお洒落にこだわらない人であった。「昔は地味な服が多かったと思います。その頃の気分といえば、常にモノトーンでしたね(笑)。まあ、そういう意味では、服を変えて気持ちも華やかになったと思います。普段の言動まで変わったと思います」

みすぼらしい格好ではなく、きちんとしたオーダースーツを着て過ごす。それだけで自信を持って仕事ができるようになったと植木さんは語る。収入もスーツを変えてから、3〜4倍になっている。植木さんはその理由のひとつを「自分がみすぼらしいとかダサいとか思われていないかな、と気が散ったりすることがない。自信を持って相手との話に集中できるから」と語る。もちろんこれが収入が増えた理由のすべてではないが、要因のひとつであると語る。

自分がいいなと思っている服と、他人がいいなと思う服とは異なる。このことにほとんどの人は気づいていない。その結果、多くの人が“自分受けがいい服”ではあるが“他人受けはよくない服”を身につけている。植木さんの場合は金融マンなので、金融マンとして信用できるのかどうかが大切になる。金融マンにふさわしいお洒落さと質のよさがある服を心がけることが必要である。もちろん、相手に不快感を与えない服を選ぶことが大前提だ。そんな相手本位の服選びができるようになることが大切である。

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たいてい、人は人と会った瞬間に、見た目や服などから、相手の生き方や内面までわかってしまう。つまりは、最低限、“服装などの見た目に問題がない”という状態であることこそが“人間関係の通行手形”になる。「人間関係ではじかれないために服をちゃんとする」それが植木さんのポリシーだという。植木さん自身、かつて服装のせいではじかれてしまうことがあった。「たとえば、半袖のYシャツを男性の僕らは『大丈夫でしょ』って着てしまう。でも女性からすれば『あれはないよね(笑)』という評価になる」

これが相手目線ということなのだ。「とにかく、服を変えてから気が引き締まりましたよね。特別な服を着るとやっぱり気が引き締まって、今日もやるぞって思える。僕にも勝負服というのがあります。年配の経営者に会うのならこの服。今日は女性と会うからこの服、というふうに、その人にあった服を選ぶことで、自信を持って商談に臨めます」世の中に商品はたくさん溢れている。それぞれにそれほど大差はない。顧客は“誰から買うか“を選んでいるのである。

植木さんは“仕事上での信頼”“人間としての内面”そして“見た目である服装”の関係について次のようにも語っている。「僕がすすめたから商品を買うという人が圧倒的に多いです。信頼が置ける態度や知識、内面がないとやっぱり、絶対に人はついてはこない。服というのはいちばん最初にチェックされる部分になりますね」内面や信頼できる考え方がもちろんいちばん大切ではある。しかし、その内面を見てもらう前に「見た目」ではじかれては元も子もない。中身や能力を見てもらう前に外見ではじかれてしまってはいけないのである。そんな植木さんだが、もっとも乗り越えたい仕事上の壁がある──それは、後輩の営業成績を向上させることだ。後輩のモチベーションを上げ、やる気になってもらうためにも服は重要なポイントとなる。スーツは営業マンにとって勝負服。それをよくしないと後輩はついてこない。かっこいいスーツを着るということは、後輩から見たときにああいう先輩になりたい、だから自分も頑張るといった意欲につながる。

いくら営業成績がよくて売上げが上がっていても、みすぼらしい格好をしていたら後輩はついてこない。佇まいも素敵だからこそ、後輩がついてくるのである。つまりは上司や管理職は部下や後輩が「ああなりたい!」と思える存在になることが先決である。その人がいるからこそ頑張る……といった存在になるために、服は重要な要素となる。かっこいい服を着て風を切って歩く、凛と座る、語る――それが部署の成績アップにつながるのだ。

「服を変えてからは、胸を張って歩くようになりました。仕事のノリもまったく違います。いい服を着ると、この人はしっかり稼いでいるということが周囲もわかる。それによって、成功者の集まりに呼ばれるようになる。成功者の方々と出会えるということです。先日も一見さんお断りの店にお呼ばれしました。服がきっちりしているから、そういう場にふさわしいと思われる。おかげさまで最近はお洒落な経営者の友達が増えました」その結果、収入が3〜4倍になるのは当然である。服がダメだと当然このチャンスが断たれてしまう。

植木さんは服をきちんとしてから、言葉遣いまでしっかりしはじめた。服にふさわしい言葉を選ぶようになったのだ。それだけではない。食事に行く店も変わりはじめた。今は「どうせならおいしいもの食べたいよね」という気持ちになり、上質な店に行くようになった。「いいスーツを着ていると、いいレストランに行きやすくなりますね。そこに来ている方はたいてい服装もパシッとしているので、デニムで行くわけにはいかないですよ。おいしいものを一緒に食べるのって共感が生まれやすいし、顔もほころびます。人間がより深くつながりやすいと思う。高級ならいいというわけではないけれど、おいしいもの、いいものを知る、それだけで共感力が高まると思うんです」

たしかにいいものを知らなければ、そこを目指そうとは思わない。服をよくしたことで気分がポジティブになり、くよくよしなくなる。服のおかげで人生に悩まずに済むようになる。そういっても過言ではなさそうだ。また、植木さんの場合、服を変えたことで、会いたい人の方から寄ってくるというミラクルも相次いだ。よい質の人にどんどん人生を引き上げられ、質のよい成功者との出会いがどんどん増えていった。

これを聞いて行動を起こさない手はない。まずは自分の体をつかって人体実験してみることをおすすめしたい。どうするかはあなた次第だ。

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『服を変えれば、人生が変わる』潮凪洋介 著 CCCメディアハウス ¥1,540(税込)

【執筆者】潮凪洋介
エッセイスト・講演家・イベントプロデューサー。『もういい人になるのはやめなさい(KADOKAWA)、『バカになれる男の魅力』(三笠書房)、『男の色気のつくり方』(あさ出版)などのベストセラー・ロングセラーを多数執筆。著書60 冊、累計160 万部を超える。“人生に終わらないロマンを!”をテーマに「ライフワーク・クリエイト協会(自由人生塾)」を主宰し、「一生モテる働き方」を愉しむRomanticLifeWorker を育成。「人生100 年、労働一生時代」に向けて「自分にぴったりな運命のライフワークと社外で出会い、感動しながら収入を得るライフワーク講座」を開催。またエグゼクティブハードワーカーを対象に「男の色気」を増強する「男磨きパーソナルトレーニング」も実施している。大人の海辺の社交場 芝浦ハーバーラウンジは170 回を開催し、6000 人の着飾った大人が参加。著者・エッセイスト養成スクール「SHIONAGI DOUJO」では5000 回の指導を経て、多くの新人著者・エッセイストを輩出している。