お金がない人ほど肥満が多い⁉ “お金に縁がない人”の食生活の深刻すぎる「特徴」

  • 文:川畑明美

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貧乏人がガリガリにやせ細っているイメージは過去のこと。現在の貧乏人は肥満の割合が高く、成人病の予備軍が多いのだ。Motortion-istock

貧乏人はガリガリで金持ちは太っている。ひと昔前は、それが常識だったかもしれない。だが、現代ではこれが逆転していることをご存じだろうか。お金持ちほどスリムで貧乏人ほど太っているのだ。厚労省による調査「国民健康・栄養調査結果」によると、明確に「所得が低い人ほど肥満の割合が高い」という結果が出ている。所得が600万円以上の世帯に比べて、200万円未満世帯の人は、肥満の割合が高いのだ。食費に困る人ほど、「お腹を満たす」食事をしている傾向が高い。「お腹を満たす」食事とは、どういうものだろうか。ちょっとテストをしてみよう。あなたは、以下の食品をとること多いだろうか? YES・NOで回答してみて欲しい。


・そばやインスタント麺をよく食べる

・鶏肉と豚肉どちらをよく食べるといえば、豚肉

・魚を食べると言ったら、あじやイワシ、サケやマス

・お菓子は和菓子よりも洋菓子

・ウイスキーやワインではなく日本酒やビール

・マヨネーズや味噌の調味料をよく使う


YESの数が多いほど、貧乏人が好む食事をしている。前述の調査で低所得世帯が好む食品が上記なのだ。肉は、価格の安い鶏肉よりも、調理も簡単で脂が多くお腹を満たす豚肉の方が多い結果だった。そして貧乏だからと言って、菓子やアルコールの摂取が少ないということはない。特に菓子やスナック類ほど、安価な加工食品が出回っている。貧困層ほど手軽に手に入りやすいのだ。そういう加工食品を「超加工食品」という。超加工食品とは、米国糖尿病学会によると、「糖分や塩分、脂肪を多く含む加工済みの食品。硬化油、添加糖、香味料、乳化剤、保存料など添加物を加え、工業的な過程を経て作られる、常温で保存できたり、日持ちを良くしてある食品」としている。


特に新型コロナウィルスの流行に伴い経済格差が拡大する中にあって「食の貧困」も深刻化しているという。国連食糧農業機関は、不健康な食事が世界の肥満問題を悪化させており、「肥満自体がパンデミックとなっている」と指摘している。貧困層では、不健康だと知りつつも、安価な加工食品の摂取機会がコロナの経済格差によって増えていると警鐘を鳴らしているのだ。野菜や果物といった健康で栄養価の高い食事はコストも高いので貧困層は、手に入りにくい。そして手軽に手に入る「超加工食品」を口にしているというのだ。調理済みの「超加工食品」の多くは栄養価のバランスを著しく欠いている。高カロリー、高脂肪、高塩分だが、他の必要な栄養素であるビタミンやミネラル、食物繊維などはあまり含まれていない。年収が低い世帯ほど、健康にも格差があり、肥満の割合が高くコロナウィルスと一緒に肥満が世界中で流行しているというのだ。

子どもの食生活の乱れは、非行にもつながる

貧困層の子どもはファストフードやインスタント麺を食べる傾向が高い。それは大人よりも深刻な事態を引き起こす。a_namenko-istock

大人だけでなく低所得者の子どもも同じ傾向だ。貧困層の子どもほど、ファストフードやインスタント麺を食べる傾向が高い。だが子どもの食生活の乱れは、もっと深刻な問題に発展する。貧困だけでなく犯罪にも繋がるのだ。いくつかの県警から少年犯罪と食についての調査報告が発表されているのをご存じだろうか。非行に走る子どものほとんどは、朝食を食べない。昼食は、学校給食を除けばカップラーメン、甘い菓子パン、ハンバーガーなどだ。そして、間食として、清涼飲料や炭酸飲料、アイスクリーム、スナック菓子を大量に飲んだり食べたりしている。夕食は、孤食が多く肉は食べるが野菜はほとんど食べていない。家族で鍋を囲むこともないそうだ。ちなみに、ぐるなび発表の小学生が好きな食べ物ランキングを見ると、カレーライス、寿司、鶏のから揚げ、ハンバーグ、ポテトフライ、ラーメンの順だった。非行を犯した少年たちの食生活と大差がない。非行を犯すかどうかは、親が健康のために、嫌いなものでも食べさせる努力をしているか、どうかの差なのだ。


野菜や魚を中心とした食事は、手間がかかる。魚の下ごしらえや野菜を切ったりするのは、すこし面倒くさい。実は低所得者ほど「面倒くさい」ことを嫌う。生活保護受給層の1日の食事を聞いてみると、朝、昼、晩と近隣で買ったコンビニ弁当3食、そしてインスタントの味噌汁という。食事を作るのが面倒くさいから、こういった食生活になる。さらにそれが進むと、食卓で箸を使うことすら億劫になりスマホを操作しながら片手でパンやおにぎりをかじる。ここまでくると、「お金に縁がない人」になってしまう。なぜなら、お金持ちは面倒な家計管理をしているから、お金持ちなのだ。収入の多さは関係なく、入ってきた収入をヤリクリして、お金を残せる「面倒くさいことができる人」こそがお金持ちになれるからだ。


また節約を始めようとしたら、何から節約するのかを聞くと「食費」と答える人はかなり多い。だが食費を削るのは節約の順番からいうと、かなり後の方だ。はじめに節約するのは、毎月必ず銀行から引き落とされているものから検討することだ。住宅ローン、光熱費、スマホの通信費、保険料、習い事などをまず節約すべきだ。まず住宅ローンの借換えを検討すること。電気やガスの自由化を利用すれば、いままで通りに使っても、年間の支出を減らすことができる。賃貸の家庭でも変更可能なのだから、是非検討して欲しい。そして大きく節約できるのが、通信費だ。スマホの通信料を見直すだけでも、年間6万円ほどの出費が抑えられる。大きく節約するのが難しくても、コツコツと「ちりも積もれば山となる」が節約の基本だ。


実際のところ自分で食材を買い物して調理をしている人の食費は、それほど節約できない。食費の節約ができるのは、コンビニ弁当で済ませている人だ。500円のコンビニ弁当を買うなら、そのお金で肉を買い、人参やじゃがも、玉ねぎなどのストック野菜があれば、2日間の食事ができる。自宅で素材から料理を作るということは、大げさに言えば貧乏に転落することを防ぐ、あるいは貧乏から脱出するための手段なのである。ただし自炊をするということは、それなりの能力も必要だ。今ある食材で1週間の献立を考えるには、計画力と応用力が必要になるからだ。

所得が低い人ほどダイエットが必要

所得が低い人ほど年金は少ない。長く働けば大丈夫と考えても肥満で病気になれば悲惨な老後が待ち構えている。bbbrrn-istock

先進国のホワイトカラー層では肥満・喫煙は「自己管理できない」ことを表す指標とされている。コンビニ弁当でぶくぶく太ってしまう人は、摂取カロリーの計算もできないので人の管理もできないとみなされてしまう。手早く簡単に食べたいという誘惑に負けることから、脂肪という不要な負債を抱えることになる。安くて美味しく感じる食べ物の多くは炭水化物でできている。肥満傾向にある方ほどご飯やパンといった炭水化物中心の食事に偏りやすく、とりすぎは生活習慣病を招きやすい。控えようとしても自制心が働かず、つい手が出てしまう。またストレスを発散するために食に走る人も少なくはない。健康維持のための計画実行性に欠けることは、人の管理もできないと見なされるのだ。


若い頃であればお腹を満たす食事でもよいのだが、それが習慣化してしまうと、成人病につながる。所得が低い人ほど、年金の受給額が少ないのだから長く働く必要性がある。それなのに、肥満のまま生活していると病気になって、働くこともできず、さらに貧困状態になっていってしまうのだ。さらに冒頭の厚労省の調査結果を見て気になったのは、「歩数の平均値は、男女とも、世帯の所得が600万円以上の世帯に対して、200万円未満の世帯の方が少ない」ことだ。所得が少なくて、家にこもりがちになるのであろう。だが外出は、必ずしもお金を使うことに繋がらない。肥満で外出もしなければ、いずれは病気になってしまう。


度々テレビ番組でも「お金と健康の格差」について報道されている。非正規社員は正社員に比べて糖尿病などの生活習慣病の進行が進んでいるという内容だ。非正規社員は、短期契約の仕事が中心のため、定期的な健康診断がなく、食生活の乱れを指摘される機会が少ないことも原因だという。そういう境遇に同情するが、問題なのは低所得者の中に少なからずいる健康に気を遣わない人達の存在だ。健康は、よりよい人生を送るための基本である。ところがその意識が低いということは、老後破産の可能性を高くすることに繋がる。健康維持のための自制ができない人ほど、将来の計画も立てられない。だから60代になって貯蓄もなく年金も少ないから長く働けば大丈夫と高を括っていたら、突然病気になってしまって働けなくなったというのは、筆者への相談でも少なからずあることだ。思いあたる節があるあなたは、いますぐダイエットを始めるべきだ。

【執筆者】
川畑明美●ファイナンシャルプランナー 「私立中学に行きたいと」子どもに言われてから、お金に向き合い赤字家計からたった6年で2000万円を貯蓄した経験をもとに家計管理と資産運用を教えている。


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  • 文:川畑明美

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