イギリス王位継承第2位のウィリアム王子が、24年以上も愛用している腕時計とは?

  • 文:遠藤和呼

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2021年5月にキャサリン妃とともにスコットランドを1週間にわたって訪問。5日目に訪れた新設病院にて。ダークブラウンのジャケットに、「シーマスター」のブルーダイヤルがよく映える。photo:Gettyimages

イギリス国民だけでなく、世界中の注目を集めるロイヤルファミリー。近年はヘンリー王子の王室離脱がニュースになっているが、兄のウィリアム王子は4月にキャサリン妃との結婚10周年を迎えるなど、よき夫、よきパパぶりもあって国民からの支持も高い。エリザベス女王の孫であり、王位継承順位はチャールズ皇太子に次ぐ第2位。その彼の腕には、どんなときもオメガ の「シーマスター」があることをご存知だろうか。

「シーマスター」といえば、映画『007』でイギリスの秘密諜報部員であるジェームズ・ボンドが愛用してきたことで知られる。1995年公開の『ゴールデンアイ』から定番アイテムとなり、秘密兵器として彼の危機を救ったことも少なくない。

この腕時計は、第2次世界大戦中にイギリス軍の依頼で開発された防水時計がルーツ。後に市販化されて、1957年にはハイスペックのダイバーズウォッチ「シーマスター300」が誕生した。実は『007』以前から、イギリスと関係の深いモデルなのである。

ウィリアム王子が身につけているのは、90年代に発売された300m防水の本格派「シーマスター プロフェッショナル ダイバー300M」(クオーツ)。11年前の婚約会見時にも着用していた。2015年の来日時も含めて、現在にいたるまで彼の腕には常に「シーマスター」が君臨する。スキューバダイビングが趣味ということもあるが、TPOを問わず彼が使い続けてきたのは、特別な理由が考えられる。

上の写真のアップ。ケース左上部(10時位置)のリューズ状の突起は、飽和潜水に対応したヘリウム排出用のエスケープバルブ。photo:Gettyimages

この腕時計はダイアナ妃からのプレゼントだったというのだ。ダイアナ妃は1981年にチャールズ皇太子と結婚して、96年に離婚。翌97年に36歳の若さで亡くなっているが、当時、ウィリアム王子は15歳。ダイアナ妃がいつ贈ったのかは不明だが、年齢からカウントすると、ウィリアム王子は少なくとも24年以上にわたって愛用してきたことになる。この「シーマスター」はすでに生産を終えてリニューアルを重ねているが、ダイバーズウォッチとして高度な防水性が確保されており、湿気や水分に強いだけでなく、防塵性も抜群。頑強で耐久性にも優れている。ダイビングに限らず、ハードなデイリーユースにも最適なので、このような長期使用も納得できるわけだ。

デザイン的にはブルーのダイヤルとベゼルが精悍で爽やか。オメガ の現行品では「シーマスター ダイバー300M マスター クロノメーター」が後継モデルとなる。


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