資産形成をするために、お金持ちが「必ずやっていること」は?

  • 文:川畑明美
Share:

お金持ちが必ずやっていることは、お金を管理してお金に向き合うこと。地味な作業だがそれができるとサラリーマンでも1億円の資産を作れるかも!? Sean_Kuma-iStock.

「お金持ちになりたい」という人は多い。だが実際にお金持ちと呼ばれる人は、少数だ。多くの人は、口では、お金持ちになりたいと言いながら、心の深層では、お金持ちに本当になれるとは思っていないのかもしれない。そういう人は、お金をいくら稼いでもお金持ちになれない「お金に縁がない人」だ。億万長者研究の第一人者であるトマス・スタンリー博士によると「お金持ちは、お金の管理が上手い」という。お金持ちは、お金に縁がない人よりも特別に賢いというわけではない。スタンリー博士の調査でもそれは明らかになっている。


お金に縁がない人と、お金持ちが違う点は、管理ができているか、どうかだ。お金に縁がない人は、お金を上手く管理できないか、お金にいっさい関わらないような行動をする。筆者もお金に縁がない人に、お金の管理をどうしてやらないのか、理由を聞くと「管理するほどお金を持っているわけではないし、お金に縛られて生きるのは、もっとイヤだ」という。だが、お金の管理はお金に縛られるどころか反対に、あなたをもっと自由にしてくれるものなのだ。お金をきちんと管理したら働かなくてもいいほどの、お金を手にできるのだ。これが「本当の自由」ということでは、ないだろうか?


「管理するほどの、お金がない」などと屁理屈をこねる人は、考え方を180度転換して欲しい。十分なお金を持てるようになったら管理をするのではなく、お金の管理をするから、十分なお金を持てるようになるのだ。砂時計の上の砂のように減っていくのを見るのではなく下の砂のように貯まっていくのに注目してみよう。お金持ちになりたいのなら、お金の管理は、避けて通れない。収支を把握して、お金の無駄をなくし現在いくらお金を保有しているのか正確に知ることが重要なのだ。

資産を増やすために必要な4つのこと

RichVintage-iStock.

実際、資産運用のやり方を顧客に教えると節約が上手になったと言われる。全く増えない預貯金では節約する気には、なれないのだろう。資産運用をしてお金が増えることを体感すると自然とお金の管理をしたくなるのだ。さらに言うと、心持も変わる。資産運用を学んだ人は、「私たちお金持ちだから」と口にするようになるのだから不思議だ。


普通のサラリーマンが1億円を貯めるのは、無理だと思ってないだろうか。そんなことは、ない。家計管理を徹底して、無駄をなくし資産運用することで、サラリーマンでも1億円の資産をつくることは、できる。資産を増やすため味方にすべきは「時間」だ。時間は、すべての人に平等に与えられている。今まで、あまり貯金ができなかったという人も時間を味方にして正しい計画を立て、これを確実に実行すれば1億円の資産づくりは、かなえることができる。


資産を増やすために必要なのはたった4つのことを繰り返すだけだ。

1)貯蓄できる家計を作る
2)収入を増やす
3)支出を見直す
4)運用して資産を増やす


ここで注意したいのは、お金に縁がない人ほど「収入」に注目してしまうのだ。「どのくらい稼いでいるんですか?」と、聞く人は、多いが、「いくら資産を持っているのですか?」と聞く人は、ほとんどいない。収入のうち特に勤労所得は、すべてのお金の流れの源になるものだから、収入が多いことも資産を増やすことに欠かせないものだ。だが、そこに注目するのは、貯蓄できる家計になってからの話なのだ。収入が高い人ほど、支出も多くなる。年収1000万円以上でも貯蓄はゼロという人は、意外にも多い。年収が高いから良いところに住んで、子どもも私立に通い、外食も多い。いくら稼いでも使ってしまったら、お金持ちにはなれない。


勤労所得から貯蓄できるようにならなければ、その先の資産運用には、一歩も進むことはできないのだ。収入が増えただけでは、資産は増えない。資産1億円行きのバスに乗りたいのだったら、前述の4つのサイクルが1つでも欠けてはいけない。「収入を増やす」ことだけに注目しているということは、車輪が1つしかないバスに乗っしまったようなものだ。それでは、まっすぐ進めず危険と困難な運行で、目的地にたどりつくことはできないだろう。

収入がアップしても、実は手取りはそれほど増えない

takasuu-iStock.

特に所得が高い人は、要注意だ。年収1000万円あれば、ゆとりがあると考えがちだが、2つの勘違いからお金を使い過ぎている傾向にある。まず1つ目の勘違いは、「収入アップ=手取りアップでない」ことだ。収入がアップしても、手取りはそれほど増えない仕組みになっているのをご存じだろうか? 日本の税制は、累進課税方式なので、税率も上がるからだ。さらに社会保険料の負担も重い割に年金も増えない。収入がアップしても手取り額で考えると、実はあまり増えていない。


2つ目の勘違いは、「年収が今後も減らないと思い込んでいる」ことだ。新型コロナの影響で、会社の業績が大幅に悪化していれば、賃金カットは、あり得ることだろう。現在の年収を前提に住宅ローンを組んでしまうと年収が下がった時に家計は破綻してしまう。


では、家計を健全化するには、どうしたらいいのか。優先順位を考えてみることだ。子どもをどうしても私立に通わせたいのなら、思い切って家を住み替える。大胆な発想だか、固定費を大きく削減することができる。ただしマンションだったらよいのだが、注文住宅で趣向をこらしてしまうと逆に売却できなくなるケースもある。例えば、元プロバスケットボール選手のマイケル・ジョーダン氏のシカゴの大豪邸が何年も売れていないのもその例だ。


家が売れないのだったら残る道は、コツコツ節約していくことだ。もちろん車は、売却して携帯電話も格安スマホに変える、子どもの習い事を減らす、電力会社を変えるなどなど、節約できるところは、たくさんある。筆者も子ども達を私立に入れるのに学費を試算した段階で家計的に厳しいと感じた。当時の世帯年収が1000万円あったにもかかわらず、だ。


お金を貯められるマインドになるには「できない」と思わずに「できる」と思えるようになることだ。「コツコツ続けるのは、私には無理」なんて心のどこかで思っていないだろうか。加えて他の人と比べるのも良くない。スタートした時期が違っても比較にならないし、環境も違うのだから比べてもしかたがない。比べるのは、いつも自分自身だ。


赤字とオサラバして、お金が貯まる体質になるにはもっと単純で、確実かつ具体的な方法を伝授しよう。それはズバリ、先取り預金だ。「なぁーんだ!」と、思ったあなた。年収300万円で30代前半なのに1000万円貯めた人もやっているのは、先取預金だ。18万円の手取りから8万円を先取り預金して毎月10万円で生活して1000万円貯めた人もいる。そこまで出来ないにしても、毎月1000円でも良いので、コツコツ続けることだ。最初の10万円が貯まると達成感ができるし頑張ろうと思える。10万円貯まったら以前の自分よりも大きく違っている。最初は、10万円。次に50万円、100万円と小さくステップアップしていくことを意識することだ。


そして、必ずお金持ちがやっていることは「資産表」を作ることだ。資産がゼロというあなたは、簡単な表を作り目標とする資産額も書き入れるいい。そして今日現在の総資産を書き込む。それを毎月繰り返すのだ。ある程度、貯金ができたら、資産運用にトライして欲しい。資産運用、つまり投資は自己責任なので他人に教えてもらって、できるようになるのではなく、教えてもらったことを自分で実践して自分で判断できないといつまで経っても、自分でできるようにならない。


もちろん投資した資産も毎月記録する。「資産表」に書き込んだ総資産の変化を記録していくことによって、自分がドンドンお金持ちになっていくのを確認できるのだ。お金の居場所を変えるだけで、資産が増えていくのは、眺めていてもワクワクするものだ。

【執筆者】
川畑明美●ファイナンシャルプランナー 「私立中学に行きたいと」子どもに言われてから、お金に向き合い赤字家計からたった6年で2000万円を貯蓄した経験をもとに家計管理と資産運用を教えている。