nendoがJALの機内アメニティを一新し、7色の“洗練グレー”でおもてなし。

  • 文:Pen編集部

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nendoが手がけたJALの機内アメニティ。国内線および国際線で順次展開予定。アメニティではないものの、写真の中でひと際目を引く赤い折り鶴は、nendoが独自につくり上げたJALのシンボルマーク「鶴丸」だ。 photo:Akihiro Yoshida

数々の企業や団体とタッグを組んできたnendoが、日本航空(JAL)の国内線と国際線で提供されるアメニティのデザインを手がけた。その品目は、ブランケットやアイマスクなどの布製品から、機内食用の食器やプレート、ティッシュや歯ブラシなどのパッケージに至るまで多岐にわたる。

赤い折り鶴で表現されたJALのシンボルマーク「鶴丸」は、アメニティのデザインに巧みに取り入れられている。たとえば、カーディガンやブランケットには赤いタグ、ポーチやメニューカードには折り鶴の展開図をパターン化した模様が施されている。


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ポーチ(写真左)のデザインは、折り鶴を広げた際にできる折り目(写真右)をヒントにした。photo:Akihiro Yoshida

機内で貸し出されるカーディガン。裾に付けられた赤いタグがアイキャッチとなっている。photo:Akihiro Yoshida

nendoといえば、色の数を抑えたシンプルなデザインが特徴だ。アメニティのカラーも、おもに赤色とグレーを基調としている。しかし、国際線ではアイテムごとにパッケージの製造国が異なり、明度や彩度に差が生じてしまうという弱点も。そこで、あらかじめ色のずれを想定し、7色のグレーが使い分けることで課題を見事にリカバーした。

機内食のメニューやプレートでは、和食にすっきりとしたクールグレーを、洋食に暖かみのあるウォームグレーを採用。4つの座席クラスには、それぞれ2~3色を割り当て、異なるクラス同士で部分的に重複させている。衛生用品のパッケージには4色のグレーを使い、ニュートラルな印象を与えている。

空の旅は座席クラスによって食事やサービスだけでなく、周りに漂う雰囲気も異なるものだ。この新しいアメニティは製造過程の弱点を活かすだけでなく、クラスの垣根を超えた洗練された統一感を機内全体に演出。旅を特別にするおもてなしとして、注目したい。

衛生用品一式をまとめる巾着袋は、異なるパッケージカラーが混ざっても違和感を与えない。photo:Akihiro Yoshida

機内食を提供する食器やプレートも、折り鶴の展開図から着想を得ている。食器の配置によって線のつながり方が変わる。photo:Akihiro Yoshida

問い合わせ先/日本航空

www.jal.co.jp/jp/ja/