現代美術家 婁正綱と彫刻家 名和晃平の作品をリビングに展示する、『LIVING with ART』展の試みとは?

  • 写真・文:中島良平
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無題 婁正綱(2020年) 婁の絵画作品が展示されているのは、「リビング・ダイニング+茶室」というコンセプトで建築家の岸和郎がデザインした空間。

&Traditionやカッシーナ・イクスシー、タイム アンド スタイルなど、国内外のブランドの製品を扱うインテリアショップ「コンフォートQ 十三ショップ」を会場に、『LIVING with ART Lou Zhenggang & KOHEI NAWA』展が開催されている。コンセプトは「もしも、リビングにアートがあったなら…」。建築家の岸和郎が手がけた空間には、中国で書画を学んだ背景を持つ現代美術家の婁正綱の作品が、「リビング・ダイニング+ギャラリー」をコンセプトに畑友洋が設計した空間には、名和晃平の立体作品2点が展示されている。

岸による空間デザインの発想は、新型コロナ禍での生活様式から生まれたという。リモートワークによって自宅が仕事場になり、リモート飲み会などのコミュニケーションの場にもなる。ダイニングテーブルが椅子に座って行う立礼茶席に変容すれば、PCをつないで働く空間にもなる。そんな部屋に「雲と水の心象風景」をテーマに制作を続ける婁正綱の作品を飾ることで、自然界の景色の広がりを住空間に持ち込むような感覚を味わうことができる。

無題 婁正綱(2020年) 夜の海の景色を連想させる作品は、夜のリビングルームをイメージした空間に展示。

婁正綱は「雲と水の心象風景」というコンセプトで作品を制作する意図を次のように語る。「雲と水は自然界でもっとも一般的な物質です。何千年にもわたり人類が成長してきた長い歴史のなかで、雲と水の風景に対して多くの感情と知識を蓄積してきました。『原始性』と『普遍性』を備えた雲と水という自然風景を手がかりに、誰もが理解できる抽象絵画を描きたいと考えています」。

名和晃平の作品が展示された空間をデザインした畑友洋が試みたのは、「日常をすっぽりと覆うギャラリーの帽子をかぶせてみる」こと。手の届く高さにものが集まっている日常生活の環境で、ソファから立ち上がって視線を上げた瞬間に作品と向き合うギャラリー空間が生まれることをイメージした。立体作品を宙に浮かばせる展示方法には、日常生活にアートを取り入れる際の多様な可能性が表現されている。

部屋にアートがあれば、日常に豊かな奥行きが生まれる。自分の空間にはどんな作品がマッチしているのだろうかと思いを巡らせると、自分の意識や感情も刺激されることが想像できるはずだ。

左『Pixcell – Wild Boar #4, 2007 Mixed media sculpture』名和晃平(2007年) 右『Throne(g/p_pyramid), 2019 Mixed media』名和晃平(2019年)

ソファーから見上げた視線の先に絵画や彫刻が展示された部屋を連想させる意図で、畑友洋が空間をデザインした。

LIVING with ART Lou Zhenggang & KOHEI NAWA
開催期間:2020年11月14日(土)〜12月20日(日)
開催場所:コンフォートQ 十三ショップ
大阪府大阪市淀川区野中南2-8-10 阪急インテリアスタジオ館内1階
TEL:06-6303-7151
開館時間:10時〜18時(月〜金) 10時〜19時(土、日、祝)
※営業時間が変更になる場合あり。
※阪急うめだ本店よりタクシーで無料送迎あり。1階インフォメーションカウンターで受付中。
会期中無休
会期中入場料無料
http://comfortq.com/news/living-with-art-lou-zhenggang-kohei-nawa/