吉田鋼太郎が考える、シェイクスピアの魅力。

  • 写真:岡村昌宏(CROSSOVER)
  • 文:泊 貴洋
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吉田鋼太郎●1959年、東京都生まれ。シェイクスピア・シアター、東京壱組などを経て、97年に劇団AUNを結成。舞台への出演の他、演出も手がけている。蜷川幸雄演出のシェイクスピア演劇で主演やメインキャストを多数演じた。『おっさんずラブ』『麒麟がくる』など、話題のドラマや映画でも活躍する。 ジャケット¥121,000(税込)、パンツ¥77,000(税込)/ともにイッセイ ミヤケメン(イッセイ ミヤケTEL:03-5454-1705)、シャツ、ポケットチーフ、靴はスタイリスト私物、腕時計は本人私物。

舞台役者として名を馳せ、映像に本格進出した50代からは、映画やドラマに引く手あまたの吉田鋼太郎。自らを“活字中毒”と呼ぶほどの本好きだ。

「部屋でもトイレでもお風呂でも、ずっと本を読んでるんですよ。高校時代に好きだったのは、庄司薫さんの『赤頭巾ちゃん気をつけて』などの四部作。その後、檀一雄さんの『火宅の人』にも影響を受けましたね。あんな世界に影響されちゃいけないのに(笑)。最近は、エッセイばかりです。特にはまっているのは、武田百合子さんの『富士日記』。夫の泰淳さんと富士山の別荘に行った時に、犬を連れていって死んじゃうくだりがあるんですけど、何回読んでも感動できる。天才ですね」

そんな本好きの吉田を45年にわたり惹きつけ続けているのが、ウィリアム・シェイクスピアだ。シェイクスピアは、エリザベス女王が大英帝国の礎を築いた1564年に誕生。18歳で結婚するが、20歳を越えて失踪。謎の多い空白期間を経て、ロンドンに詩人として現れたのは29歳の時だ。以降、劇作家として頭角を現し、およそ20年で37本の戯曲を残した。『マクベス』『ロミオとジュリエット』『十二夜』など、代表作はいまも世界中で上演されている。

「シェイクスピアと同時代を生きたライバルに、クリストファー・マーロウとベン・ジョンソンという劇作家がいて。3人とも同じような題材を扱っていて、物語も似ているんですよ。たとえば、マーロウの『マルタ島のユダヤ人』とシェイクスピアの『ヴェニスの商人』は、どちらも極悪な高利貸しを描いている。でも、シェイクスピアの作品は明らかに違うんです。マーロウもジョンソンもひとつの筋だけで押していきますけど、シェイクスピアはふたつの筋を並行させたりして多層的。しかも信頼、裏切り、再生などいくつものテーマをきっちり描いている。その文筆の才たるや。3人の戯曲を読み比べると、シェイクスピアが後世に残った理由がわかる気がします」

発売中のPen「人生に必要なのは、心に響く本。」特集表紙。

過去の出演舞台について「約8割がシェイクスピアです。全37本中、やってないのは3本だけ」と吉田。シェイクスピアとの出合いは45年前、吉田が16歳の時にまで遡る。


インタビューの続きは是非、発売中のPen「人生に必要なのは、心に響く本。」をご覧ください。

こちらの記事は、2020年 Pen 11/1号「人生に必要なのは、心に響く本。」特集よりPen編集部が再編集した記事です。