伝統の継承と発展。言葉にするのは簡単でも、このアンビバレンツを実践するのは容易ではない。しかし、ブレゲは実に鮮やかに融合してきた。それを端的に象徴するスポーツコレクションが「マリーン」だ。
ブランドを創業したアブラアン−ルイ・ブレゲが高精度のマリンクロノメーター(航海用精密時計)を開発した偉業からインスピレーションを得て、初代モデルが発表されたのは1990年。伝統的な意匠を受け継ぎながらも、スポーティな機能とスタイルを追求した、現代的なコレクションなのである。2004年に「マリーンⅡ」としてリニューアル。2017〜18年には新世代と呼ぶにふさわしい斬新なデザインコードを導入して大きな話題となったが、このコレクションに18Kローズゴールドとホワイトゴールドのブレスレットモデルが追加された。
シルバーダイヤルのモデルには18Kローズゴールドのケースとブレスレットを、ブルーダイヤルのモデルには18Kホワイトゴールドを組み合わせている。ケースとの接続部分であるラグから3連ブレスレットがなめらかに連携しており、快適な装着感が得られる。ゴールドは輝きだけでなく、もつ人だけがわかる重さも特徴だが、それが心地よく感じられるのは、ブレスレットのコマが精密に磨き上げられているからだ。艶と光沢が立体感を美しく表現しており、手首まわりを華やかに彩る。
ブレゲではお馴染みのフルート装飾(コインエッジ)がケースサイドに施されている他、ダイヤルにはこのコレクションのアイコンともいえる大胆な波形の手彫りギョーシェ(装飾彫り)が。ブレゲと海の関係をアピールすると同時に、大海原への憧憬を駆り立てる。このイメージを支えるように、三日月形の中空をもつブレゲ針やローマ数字はもちろん、5分ごとのドットインデックスまで蓄光式夜光で塗装。このためローマ数字は太めにデザインされており、夜間の視認性はすこぶる高い。
その一方で、秒針のエンドには、ブレゲのイニシャルと重なる国際(海洋)信号旗の“B”をアレンジしたシンボルを配置。ちなみに、ムーブメントは最新のシリコン製ヒゲゼンマイを採用しており、耐磁性にも優れている。ブレゲらしさに満ちているにもかかわらず、機能もスタイルも新しい。高級時計にふさわしいゴールドブレスのコンビネーションだ。
問い合わせ先/ブレゲ ブティック銀座 TEL:03-6254-7211