「OKULAB」によるスニーカー&デニム専門クリーニングを利用して、長く大事に使う道への第一歩を。

  • 文:高橋一史

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左は新クリーニングサービスに参画する、靴修理店も営むシューズクリエイターの勝川永一。右はデニムクリーニングを監修する、OKULAB所属のジーンズ加工・洗いに詳しい高野武。

約10年前となる、2011年の日本のファッションを振り返ってみたい。3.11と命名された3月の大震災が起きたあとに、セールスが好調だったファッションアイテムは長年使える定番的なものだった。ブランドの知名度とは無関係に、人々が本当に好きで一緒に生活したいと思うアイテムが人気を集めた。社会に大きな不幸が生じた時、他人への虚栄心や自己顕示欲が薄れ、内面を見つめて個人の幸せを追い求めるものなのかもしれない。現在は世界中で外出規制が行われ、誰もが「自分とはなにか」を考えている。直接人に会い、新しい服を着た姿を披露する機会も少なくなった。社会が平穏に戻ったのちに好まれるファッションはやはり、自分らしくいられる  “自分定番” になりそうだ。

多くの男性にとって自分定番の最たるものが、スニーカーとデニムである。ここに紹介する新クリーニングサービスは、妻や恋人に呆れられるほど大切にしているこだわり派の諸氏に朗報となるだろう。2016年に設立され、全国90店舗のソーシャルランドリー(コインランドリー)を展開する「OKULAB(オクラボ)」が始めたスニーカーとデニム専門のクリーニングだ。店舗にクリーニングしたいものを持参してスタッフに相談して預けると、中3日程度で戻ってくる。スニーカーの基本料金は、スタンダード ¥700、ハイブリッド ¥1,500、クラフト ¥4,000(すべて税別)。洗濯機での丸洗いならスタンダードで、水洗いしない職人の手作業ならクラフト、その中間がハイブリッドだ。洗剤も洗濯機も専用品を使い、オプションで撥水加工、簡易補色、部分接着なども行える。

デニムはコースがさらに細分化され、スタンダード ¥600、スペシャル ¥1,200、クラフト ¥3,000、デサイジング ¥2,000、ドライ ¥600(すべて税別)。スタンダードからクラフトまでは、客の色落ち具合の希望による作業工程の違い。デサイジングはリジッドデニムの初回洗い用、ドライは水洗い不可のデニム用だ。どのコースも専用洗剤で洗われ(ドライを除く)、室内で乾燥され、デニムの縫い目裏側の「耳」を開きアイロン掛けされる。マニアックなデニム好きの心を掴む手の込んだ仕事である。

同サービスはまずはクリーニング受付カウンターが設置された「Baluko Laundry Place代々木上原」で2020年5月27日(水)から先行し、順次全国で展開される予定。いいものをケアして長く身に着け、そこに新しいアイテムを付け足して着る装いが今後増えていくのは間違いない。そんな新時代の着こなしと生活スタイルを後押しする、ユニークなサービスの誕生だ。

ヴィンテージなどの希少性のあるスニーカーやデニムのクリーニングに最適。

Baluko Laundry Place代々木上原。最寄りは小田急線・東北沢駅だ。

代々木上原店内にはカフェ&ベーカリーも併設。スタッフが常駐し、清潔で安心。新発想のランドリーだ。

Baluko Laundry Place代々木上原

東京都渋谷区上原3-29-2
営業時間:24時間(セルフランドリー)、9時〜21時(カフェ・ランドリーアウト・クリーニング)※2020年6月上旬現在、11時〜19時営業
TEL:03-6407-8415
無休