ミラノ・サローネで好評を博したソニーの企画展『HIDDEN SENSES』が凱旋中。“日常の中に隠された感覚”に触れてみよう。

  • 文:猪飼尚司

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鏡の前に数秒止まっていると、映り込んだ顔がイラストとなって壁に現れる「Sketching Portrait」。鏡を見るという日常行為をインテリアに直結させたり、画像データをインテリアに記憶させたりすることも可能なテクノロジーです。

人の暮らしに寄り添う次世代のテクノロジーのあり方を提案しようと、ソニーは2018年4月、「HIDDEN SENSES」をテーマに世界最大のデザインイベント、ミラノ・サローネで企画展を開催。ユニークな発想とインタラクティブな展示内容は、世界中から集まった目利きたちにも好評を博し、遊び心に優れた展示に贈られる「Best Playful Award」を受賞しました。

そして2018年11月4日までは、東京・銀座ソニーパークで日本初披露となるHIDDEN SENSES の展示『HIDDEN SENSES AT PARK』が行われています。場内では、人の感覚にそっと寄り添いながらテクノロジーが生活の中に自然な形で溶け込んでいく様子を、ソニーらしいユニークなストーリー性とデザイン力で表現。歩く、座る、モノを動かすといったきわめてなにげない日常行動が、場内に隠されたデジタル装置とリンクし、これまで感じたことのない、日常の中の“隠された感覚”を探り出してくれます。

たとえば、中に水は入っていないのに、持ち上げて傾けると、まるで氷入りの水を注いでいるような音と振動を発生する水差し「Empty Jug」。また、棚の上に置かれたオブジェに触れると、リモコンのように音楽や照明を操作できる「Object Switch」。このような、全部で14のコンテンツが紹介されています。

ひとりでゆっくりと体験するのもお薦めですし、友達や家族とともに出かければ、また違う楽しみ方が味わえるはずです。

壁にかけられた皿の前に立ち、近づいたり、遠ざかったりを繰り返すと、皿の表面にさまざまな模様が現れる「Coloring Dishes」。人との距離や人の位置をモノが判別し、常に新しい状況が生み出されます。

前面が液晶画面になった楕円形のオブジェ「Swing Light」。手で揺らすとその動きを察知し、画面の中の映像も同じように連動して動き始めます。これまでにない風景を、家の中にもたらしてくれる作品です。

会場の銀座ソニーパークは、東京メトロ銀座駅に直結するオープンなスペース。展示されている家具やオブジェには、実際に座ったり触れたりして体験することができます。

複数の額縁が目の前に立つ人の動きとリンクし、同じように動き出したり絵が揺らいだりと、独特の反応を見せてくれる「Picture Wall」。絵をよく見るために人が近づくのではなく、絵の方から近づいてくるような反応が起こります。

『HIDDESN SENSES AT PARK』

開催期間:2018年9月29日~(土)11月4日(日)
開催場所:銀座ソニーパーク 
東京都中央区銀座5-3-1 銀座ソニーパーク B2
開場時間:10時〜20時 ※ 10/22のみ10時〜18時
会期中無休
入場無料
www.sony.co.jp/hs