「建築とは、編んでつくるもの」——LIXILギャラリーで、隈研吾研究室の活動に編み込まれましょう。

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    「オーストラリア、キャンベラパビリオン(仮)モックアップ」。細いアクリルを編んだ作品が、展示空間いっぱいに鎮座します。実物は、この1.5倍の大きさで設計されるそうです。 撮影:白石ちえこ

    東京大学建築学専攻隈研吾研究室、通称「KUMA LAB(クマラボ)」。世界中から約40名の学生が集まり、隈研吾の建築設計や建築理論を実践・体験しています。彼らの活動を紹介する『KUMA LAB: Weaving 東京大学建築学専攻隈研吾研究室の活動』が、京橋の「LIXILギャラリー」で2018年9月25日まで開催中です。

    本展は、LIXILギャラリーが企画する『クリエイションの未来展』の16回目の展示。アートディレクターの清水敏男、金工作家の宮田亮平、建築家の伊東豊雄、隈研吾の4名が、それぞれ3か月ごとの会期で、現在進行形のテーマを具現化した展示を実施してきました。今回の監修者となった隈は、「Weaving(編む)」という言葉を軸に、クマラボが取り組む課題を紹介しています。

    「19世紀最高の建築理論家ゴットフリート・ゼンパーは、建築とは編んでつくるものだと見抜いていました」と語る隈。クマラボでは「編む」という言葉を、新しい素材や形、環境を追求する「モノを編む」、異なる思想や文化を持った人のアイディアをぶつけ、さらに新しい編み方を生み出す「ヒトを編む」、構造やコンピューター、ファッションなど、研究室の外にあるさまざまなフィールドを取り込む「フィールドを編む」という3つの柱として解釈し、活動しています。本展ではそんな彼らの取り組みや研究を、会場の壁に映像で投写。また、2018年11月5日から11月25日にかけてオーストラリアで開催される「デザイン・キャンベラ・フェスティバル」に、クマラボの研究発表として出展予定であるパビリオンのモックアップも会場内に展示しました。アクリル製の繊維を文字通り”編み込んで”つくったパビリオンは、圧巻です。

    隈研吾が展開する建築の根本的な思想に、気づいた時には編み込まれてしまっている……そんなワクワクがある展覧会です。

    「オーストラリア、キャンベラパビリオン(仮)アクリルロッド編み作業」 撮影:東京大学隈研吾研究室

    「旧沖保育園牡蠣殻スクリーン」

    第16回クリエイションの未来展 隈研吾監修『KUMA LAB:Weaving 東京大学建築学専攻隈研吾研究室の活動』
    開催日時:2018年7月5日(木)~9月25日(火)
    開催場所:LIXILギャラリー
    東京都中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビル2F
    TEL:03-5250-6530
    開館時間:10時~18時
    休館日:水、8月11日~15日、8月26日
    入場無料

    www.livingculture.lixil