皆川明と緒方慎一郎が再生した一棟貸しの宿「ウミトタ」で、豊島の美しい自然を体感してみませんか?

  • 文:山田泰巨

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古民家を再生した「ウミトタ」。螺鈿(らでん)の壁は、職人が島民とともに仕上げました。©︎Hua Wang

アートと美しい自然を求め、世界中から人々が訪れる瀬戸内。穏やかな海に無数の島が点在しますが、その中核を成す直島に次いで、多くのアート作品をもつのが豊島です。今春、この豊島に新しい宿泊施設「ウミトタ」がオープンしました。

古民家を活用したこの宿を手がけたのは、ファッションデザイナーの皆川明とデザイナーで、SIMPLICITY(シンプリシティ)代表の緒方慎一郎。島の自然を感じられる施設を、とウミトタのディレクションは皆川が担当。館内にはミナ ペルホネンのファブリックやプロダクト、皆川が選んだアイテムが並び、ファンならずとも楽しめる空間になっています。一方、建物の設計は緒方によるもの。板葺きのトンネルから内部へ入ると、もとの構造や土壁を極力残しつつ、白漆喰や島で採取される豊島石を使い職人の手によって再生された空間が広がります。島民との共作による螺鈿細工で彩った外壁など、見どころもたくさん。

ウミトタという聞きなれない名は、「海と田」の間を示すものだといいます。建物の南北には棚田があり、建物のテラスから、宿泊者は海と結ばれます。宿でのんびりと過ごすだけでなく、季節によって田植えや稲刈り、野菜の収穫なども体験できるとか。一棟貸しのため、宿泊は1日1組限定(定員1〜6人)。アート巡りとともに、自然の恵をじっくりと体感できる宿をお見逃しなく。

ミナ ペルホネンのファブリックを使ったラウンドソファ。ここで寛ぐのも心地よさそうです。©︎Hua Wang

室内のいたるところから、瀬戸内海を望むことができます。©︎Hua Wang

豊島の石など地産の材を使い、古民家を修復しました。©︎Hua Wang

ハイサイドに設けられた窓からは、水平線を感じることもできます。©︎Hua Wang

ウミトタ

香川県小豆郡土庄町豊島家浦 423-2
予約受付TEL::0879-68-3386(9〜18時)
客室数:1 室(一棟貸し、定員1〜6人)
チェックイン:14時〜18時
チェックアウト:10時
宿泊料金:室料¥54,000(税込)+利用者1名につき¥16,200(夕朝食込み、開業記念料金)
www.umitota.jp