“酒づくりの神様”、杜氏の農口尚彦さんが再始動! 待望の新酒を続々リリースします。

  • 文:外川ゆい

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左から、黒いラベルの「本醸造酒」1,800ml ¥3,240(税込)、紫色のラベルの「純米酒」1,800ml ¥3,240(税込)、赤いラベルの「山廃純米酒」720ml ¥2,160(税込)、1,800ml ¥4,320(税込)、緑色のラベルの「山廃吟醸酒」720ml ¥2,700(税込)、1,800ml ¥5,400(税込)、黄金色のラベルの「純米大吟醸酒」720ml ¥4,320(税込)、 ¥1,800ml ¥8,640(税込)

石川県小松市に新設された酒蔵「農口尚彦研究所」が、2017年11月に酒づくりを開始しました。最初の1本となる「本醸造酒」は17年末に発売され、18年3月までに、さらに4種を順次発売していく予定です。

農口尚彦研究所の杜氏を務める85歳の農口尚彦は、“酒づくりの神様”と呼ばれ、伝説とまで称される人物。全国新酒鑑評会では連続12回を含む、通算27回の金賞を受賞。厚生労働省の「現代の名工」に選定され、黄綬褒章を受賞するなど、名実ともに日本最高峰の杜氏のひとりです。2年間の引退生活を送っていましたが、多くのファンの熱望に応え、17年11月より、日本各地とアメリカからやってきた20~40代の7人の若手蔵人とともに酒づくりを再開しました。

酒づくりにふさわしい、水と空気が美しい土地を石川県小松市観音下町に見つけ、酒蔵を新設。地産にこだわり、酒米栽培もスタートしました。米の旨味を感じ、美しい余韻とともに消えていくキレのよい日本酒を目指し、日々、酒づくりを行っています。

日本酒の顔となるラベルには、農口の頭文字である「の」の字をかたどりながら、利き酒で使用するお猪口の蛇の目をイメージしたロゴデザイン。黒、茶、赤、緑、黄金の5色は、石川県の伝統工芸「五彩」にちなんだものです。

また、農口尚彦研究所内には、日本酒と農口杜氏の歴史にふれることのできるギャラリースペースや、テイスティングルーム「杜庵(とあん)」なども併設。国内外の観光客を積極的に受け入れる、ギャラリー観賞とテイスティングルームでの試飲(有料)がセットになった日本酒体験プラン「酒事(しゅじ)」なども行い、地方創生の拠点ともなりたいという思いを秘めています。日本酒体験プラン「酒事」は今年2月上旬より予約開始。3月にスタートします。伝説の杜氏の新たなる挑戦から、今後も目が離せません。

1932年、石川県内浦町(現能登町)に杜氏一家の三代目として生まれた農口尚彦。1970年代以降低迷を続けた日本酒市場で吟醸酒をいち早く広め、吟醸酒ブームの立役者に。戦後失われつつあった山廃仕込みの技術も復活させ、山廃ブームの火付け役となった。

新設された農口尚彦研究所でのひとコマ。農口杜氏は後進の指導にも意欲的です。

ギャラリースペースからは、酒づくりの現場を体感できるような設計に。

農口尚彦研究所
https://noguchi-naohiko.co.jp

※日本酒は全国の取引先酒販店にて発売。サイトを参照のこと。