グラフィックデザインの真髄にふれる! 菊地敦己、服部一成、葛西薫「三人の装丁」展。

  • 文:阿部博子

Share:

菊地敦己、服部一成、葛西薫。40代、50代、60代と世代の違う3人のアートディレクターの装丁の仕事を紹介する展覧会が、9月18日(月)まで、東京・白金の「OUR FAVOURITE SHOP」内ギャラリー「OFS Gallery」にて開催中です。

広告やグラフィックデザインを主な仕事とする3氏は、さまざまなジャンルの装丁も手がけています。一瞬で本の内容と魅力を伝えるビジュアルに惹かれ、書店で思わず手に取ったことのあるPen読者も多いことでしょう。会場にはロングテーブルが3列並び、テーブルごとに3人のアートディレクターがこれまで装丁を手がけた本が展示されています。表紙を見せているものもあれば、真ん中が開かれた状態で裏向きに伏せてある本、カバーから半分だけ本体が見えているものなど、書店や図書館では決して見ることができないユニークな展示方法からも装丁の面白さが伝わってきます。本のセレクトだけでなく、ディスプレイもデザイナー自らの手で行っており、本の並べ方からもそれぞれのこだわりや美意識を感じとることができます。

世代も作風も異なるはずなのに、彼らがデザインした装丁からはどこか親和性も感じられました。それはグラフィックデザインに真摯に向かうという彼らの共通した姿勢が、装丁の中に立ち上っているからなのかもしれません。会場では本展のために菊地氏、服部氏、葛西氏がデザインしたオリジナルポスター3種と一部の本の展示販売もされています。展示されるのは希少本や絶版本、非売品の本も多く、実際に手にとって装丁をじっくり眺められる貴重な機会です。ぜひ会場に足を運び、グラフィックデザインの真髄にふれてください。


「三人の装丁」

開催期間:開催中〜9月18日(月、祝)
開催場所:OFS Gallery(OUR FAVOURITE SHOP内)
東京都港区白金5-12-21
開催時間:12時〜19時
定休日:月、火(祝は営業)
http://www.ofs.tokyo