日本の絵本が世界的に評価されているのを知っていますか。
絵本の“絵”に特化した、世界最大規模の絵本コンペ「ブラティスラヴァ絵本原画展(BIB)」の常連なのです。
1967年の第1回コンペで、『いないいないばあ』で知られる瀬川康男が受賞して以来、日本からは毎回のように受賞作が生まれています。そのBIB創立50周年にあたる今年、日本の出品作を中心に、絵本の50年の歴史を振り返る「BIB50周年ブラティスラヴァ世界絵本原画展」がうらわ美術館で開催中です。
BIBの創設された1967年は、日本の絵本文化が花開こうとしていた時期に重なります。第1部では、赤羽末吉の『スーホの白い馬』、田島征三の『ちからたろう』といった古典から、酒井駒子『金曜日の砂糖ちゃん』、荒井良二『うちゅうたまご』などの大人にも人気の作品まで、歴代の参加作品から日本の絵本史50年を振り返ります。自分がこどもの頃に親しんだ、あるいは、こどもに読み聞かせた、思い入れのある絵本にきっと出合えるでしょう。
第2部では、2015年のグランプリをはじめとする受賞作品と日本からの出品作を展示。グランプリに輝いたイギリスのローラ・カーリンは、繊細で洗練された大人っぽいタッチが印象的。日本からは準グランプリを受賞したミロコマチコの『オレときいろ』や松本大洋の『かないくん』などが並びます。絵本といっても、こどもだけのものではありません。多彩で奥深い、世界のイラストレーションの最新表現を実感できるはず。
会場では、原画と共に、出版された絵本も一緒に展示されます。手に取って読むのも自由。凝った製本やデザインの参考になるユニークな絵本もたくさん。夏休みに子どもを連れて、あるいは童心に返って、絵本の世界に浸ってみませんか。(佐藤千紗)
「BIB50周年 ブラティスラヴァ世界絵本原画展—絵本の50年 これまでとこれから―」
開催期間:~8月31日(水)
開催場所:うらわ美術館
さいたま市浦和区仲町二丁目5番1号 浦和センチュリーシティー3階
TEL:048-827-3215
開場時間:10時~17時(土・日曜日は20時まで。入場は閉館30分前まで)
観覧料:一般¥610
http://www.city.saitama.jp/urawa-art-museum