ポラロイドがここまで芸術的に! トマシュ・グゾバティの写真展で“美しき化学変化”を目撃しましょう。

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    © Tomasz Gudzowaty 2016

    6月25日(土)より、ドキュメンタリー写真家、トマシュ・グゾバティの写真展「Thomasz Gudzowaty, PROOF」が代官山のSpeak For B1F/B2F にて開催されます。これまで100カ国以上を旅しながら、シャッターを切り続けてきたグゾバティ。1971年ワルシャワに生まれ、大学卒業後に野生の風景を撮り始めました。その後、スポーツや社会情勢へと対象を広げ、メディアには取り上げられることのない人々の姿を照射してきました。そのエキゾチックな写真の数々は、「ナショナルジオグラフィック」をはじめとする多くの誌面で発表され、「ピクチャーズ・オブ・ザ・イヤー・インターナショナル」や名立たるコンペティションでの受賞など、世界中から高い評価を受けています。

    この写真展は、グゾバティの写真集『PROOF』の出版を記念して開かれるもの。収められているのは「Polaroid TYPE 55」という、現在は生産が中止されているポラロイド社のフィルムを用いた作品群です。このモノクロフィルムの特徴は、通常のネガフィルムとは異なって、インスタントのプリントができることです。通常ならば、イメージを確認した後に“用済み”とされるものですが、写真家はその芸術性に注目しました。時間の経過による化学反応が思いがけない変化を起こし、繊細な美しさを生み出すということ。表面に浮かび上がったしみやキズが、被写体のもつストーリー性を一層強めているようです。

    グゾバティは「不完全性は写真の本質的な部分であり、瞬間の偶然的な介入である」といい、ネガからプリントされた写真とは異なる「写真性」があると考えたのです。

    この写真集を手がけた、世界最高峰のアート出版社と謳われるドイツのSteidl社と、恵比寿にあるブックショップ「POST」の共同企画による写真展は、東京を皮切りに世界各地へと巡回予定。この機会に、美しい“化学変化”を目撃したい。写真家本人が来日し、サイン会イベントも開かれます。是非、お見逃しなく!(中村志保)

    © Tomasz Gudzowaty 2016

    © Tomasz Gudzowaty 2016

    Tomasz Gudzowaty, PROOF

    期間:2016年6月25日(土)~7月1日(金)
    会場:Speak For B1F/B2F 東京都渋谷区猿楽町28-2
    開場時間:11時 ~ 19時
    入場無料 無休