1994年以降、カンボジアに渡り10年以上通訳として働いている山崎幸恵さんは、2009年に日本財団の「カンボジア伝統陶器復興プロジェクト」の発起人となります。
青年海外協力隊としてカンボジアに渡った山崎さんは、アンコールワットを残したクメール王朝時、「クメール焼」と呼ばれた陶芸技術が存在していたことを知り、長い歴史の中で失われたこの技術を取り戻すとともに、この国の人たちの経済的支援もしたいという思いからのこのプロジェクトをスタートさせます。現在陶工のほとんどが女性たちで、日本支援でつくられた窯で、日々器がつくられています。仕事の場は同国最大の湖トンレサップ湖の南岸の村、コンポンチュナン州オルドン・ルッセイ。2009年に日本財団の協力で釉薬を使った器が生まれ、「コンポンチュナン焼」と名前が付きました。
地元の原料にこだわり、産地に根差したこの場所でしかつくれないオリジナルの焼き物。陶工の女性たちは自由に自分たちのアイデアを形にしているそうです。山崎さんの願いはこの支援が終わった後、陶工のひとりひとりが自立した仕事として成功すること、またこのコンポンチュナン焼がカンボジアの名物品として人々の記憶に残ることだといいます。
そんな社会的背景を抱えた陶器たちですが、現地の天然原料でハンドメイドでつくられているからでしょうか。あたたかみがあるのが印象的です。
女性の自立と地域復興の支援というこのプロジェクトに共感した聖林公司は、日本ではじめてコンポンチュナン焼を、代官山のオーガニック・カフェ・ボンベイバザーとガーデンカフェバー・ウララですでに使用し、JOURNEYにて販売もスタート、全面的にサポートしています。カップ、プレートのほかスープカップなど種類も豊富。普段使いの器として食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。(Pen編集部)
Kampong chhnang Pottery
問い合わせ先/JOURNEY・ジャーニー
TEL:03-3461-8506
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