人間の生活空間に共存している小さな隣人・昆虫。ムシ嫌い女子の天敵であるのは昔からですが、最近では、さわることができない男性も増えているようです。そんな昆虫たちが、どんな顔をして、どんな姿をしているのか、マジマジと見られる写真展が開催されます。
慶應義塾大学の名誉教授でもある小檜山賢二氏の写真展『「昆虫・・マイクロプレゼンス・・」−深度合成生態写真への挑戦−』でフィーチャーされているのは、気色の悪いキモカワ系からメカニカルなカッコイイ系まで、約20種の昆虫たち。「マイクロプレゼンス」とは「微細な構造の存在感」の意味で、ほとんど意識されない種類の昆虫が、巨大サイズの画像に引き伸ばされることで、異様な存在感を発揮しています。
こうしたマイクロサイズの物体を撮影するのは、実は非常に難しい技術。高倍率下ではピントが合う部位が限られるので、頭部がハッキリすれば、お尻あたりがボヤけてしまいます。そこでピントを変えながら100枚以上の画像を撮り、ハッキリ写った部位をコンピュータ上で合成する、デジタル画像処理「深度合成」を行います。この技術によって、肉眼では詳細を知ることができない構造が可視化され、これまでにはなかった標本写真、生態写真ができあがるわけです。
この写真展は、普段は気にも留めない昆虫の、美しいフォルムやディテールをクッキリと見られるだけでなく、同時に最新のデジタル技術も体感することができる興味深いイベント。いつも悲鳴しか上げないムシ嫌い女子・男子も、思わず感嘆の声を上げてしまうのではないでしょうか。(幕田けいた)
小檜山賢二写真展 「昆虫・・マイクロプレゼンス・・」−深度合成生態写真への挑戦−
開催期間:5月6日(金)~5 月11日(水)
開催時間:11時~19時 ※最終日 15時まで
開催場所:オリンパスギャラリー東京
東京都新宿区西新宿1丁目24番地1号 エステック情報ビルB1F
TEL 03-5909-0191
休:木
無料
※オリンパスギャラリー大阪は5月20日(金)~5月26日(木)まで
大阪市西区阿波座1丁目6番地1号 MID西本町ビル
TEL 06-6535-7911
http://comm.fotopus.com