「なにをやっているんだろう?」きっと多くの方は彼らの作品を見たときにそう思うことでしょう。ジョン・ウッド&ポール・ハリソンはイギリスを拠点にパフォーマンスやアニメーション、建築的なセットやさまざまな装置を取り入れた映像作品を共同で制作しているアーティストです。
磁石やセロテープ、ゴムボール…私たちが日常的に目にするもので作られたシンプルな装置が固定アングルで撮影され、じわじわと変化していき、繰り返される。重力、張力、風力などで画面上を動く日用品を見守るのはさながら化学実験をみているようです。新たな視点で創られた意外性とユーモアに富んだ作品は思わず微笑んでしまう、惹きつけられるものばかり。真っ白なセットの前でふたりのアーティストが無表情に淡々と起こすアクションを記録した作品群は必見です。
タイトルにある「説明しにくいこともある」とは、ある文章を別の言語で言い表わすことや、映像を言葉で説明することを、完全に、正確に行なうことがむずかしいように、彼らのアイデアを表現として置き換える際に、どうしてもこぼれ落ちてしまうものがある、そういった意識の表われだそう。
まずふたりのかけがえのないひらめきに感嘆し、そのあとは常に成功するわけではない実験的作品の裏にある、試行錯誤の制作過程に想いをめぐらせながら鑑賞するのも面白いかもしれません。(Pen編集部)
ジョン・ウッド&ポール・ハリソン|説明しにくいこともある
会期: ~2月21日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]
新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4F
開館時間:11時~18時(入館は閉館の30分前まで)
※ 2月20日(土)、21日(日)のみ開館時間延長 11時~19時
休館日:月曜日、2月 14日(日)
入場料:一般・大学生 ¥500/高校生以下無料
TEL:0120-144199
www.ntticc.or.jp