1980年代、糸井重里氏とタッグを組んで一世を風靡した西武百貨店の「おいしい生活。」など数多くの名広告を生み出したデザイン界の大御所、浅葉克己さんの個展「アサバの血肉化」展が、京都dddギャラリーにて開催中です。
なにやら血なまぐさいタイトルですが、これは美術史家・山下裕二さんが提唱してきた日本美術の伝統と現代デザインをつなぐキーワード、それが「血肉化」という概念なのです。「日本美術の豊饒な養分を、ガシガシと噛み砕いて、グッと飲み込んで、内臓からしっかり吸収して、血となり肉となるように活かしてくれるデザイナーが現れてほしい」とは山下さんの言葉。それにいたく共感した浅葉さんは、さっそく自筆の書でしたため、今回の展覧会のタイトルにもなりました。
いまだ衰えることを知らない強烈な好奇心と向上心で、古今東西、高尚なものからサブカル、ポップカルチャーまで、あらゆる事物を見聞きし咀嚼して、文字通り血肉化して生み出されたアサバデザイン。ポスター広告を中心に代表作から新作まで約100点がご覧頂けます。(Pen編集部)
「アサバの血肉化」展
開催期間:~3月19日(土)
開催場所:京都dddギャラリー
京都市右京区太秦上刑部町10
開館時間:11時~19時(土曜日は18時まで)
TEL:075-871-1480
休:日・祝日
無料
http://www.dnp.co.jp/gallery/ddd/