ハンドドリップでていねいに淹れられたコーヒーを楽しむ、サードウェーブと呼ばれるスタイルがメインストリームとなりつつあります。この潮流が広がるにつれ、一般の人でも良質なコーヒー豆を気軽に購入できるようになりました。
自宅でもコーヒーを淹れているという方が多くいるかと思いますが、実はハンドドリップはなかなか難しいものなのです。お湯の温度、蒸らし方、抽出時間等、それぞれの工程を正確に行わないと豆本来の味は引き出せず、むしろ壊してしまうこともあるんです。
そこでいま、特別な技術がなくてもおいしくできる水出しコーヒーが欧米を中心に人気となっています。コーヒー独特の苦味やえぐみを無くすために滴る水でじっくりと抽出を行う“スロードリップ”とも呼ばれる淹れ方は古くにオランダで考案され、世界中に普及していきました。昨今ではコンパクトな水出しコーヒーメーカーが日本でも数多く販売されていますが、今回はアメリカのクラウドファンディングサイト、Kickstarterで3000人もの支援を集め商品化されたカリフォルニア生まれのbruer(ブルーアー)を試してみました。
多くの支持を集めるbruer、気になる味は?
気になるその味を確かめてみます。今回は約半日かけてゆっくりとドリップをしてみました。まず感じられるのは口当たりのやわらかさ。味はしっかりとしているけれども、のどごしは爽やかで、飲み込んだ後には甘い香りが鼻腔に広がっていきます。熱湯を使った抽出の場合、カフェインと渋み成分であるタンニンが多く流出されてしまい刺激が強い味になってしまうのですが、水出しだとコーヒーがもつ甘みとコク、香りを逃がさず抽出液に閉じ込めることができるため、クリアかつ深い味わいに仕上がるそうです。
ここまでは水出しコーヒーのよさを紹介しました。では、どうしてbruerが多くの人からの支持を得たのでしょうか。
その理由はまずデザインにあると考えられます。bruerを立ち上げたゲイブ・ハーツさんとアンディ・クラークさんは、ともにプロダクトデザインを学んだ経歴の持ち主。本体が収められている円柱型のケース、くびれた美しいシルエットは高いデザイン性を感じさせ、キッチン周りに置いていても違和感を覚えることがないのです。
コーヒー本来の味を気軽に堪能できて、洗練されたデザインももっているbruer。次なるコーヒートレンドの柱となるかもしれません。(写真・文 大隅祐輔)
bruer
問い合わせ先/クロンティップ
TEL:03-5988-7225
予価¥15,500(箱入り)
www.bruer.co/
www.recocochi.com/fs/recocochi/05/BRR001