昂(こう）KYOTO、イムラアートギャラリーの2会場にて、藤田匠平、山野千里、2人のユニットであるスナ・フジタの展覧会「Garden＋Room」を開催中です。　

陶土で形成後、釉薬をかけ焼成し、何層にも重ねられた釉薬の表面を削り出すという技法で仕上げられる藤田さんの作品は、ふんわりとした空気を含むとても繊細なもの。やわらかな色とすりガラスをイメージさせる質感は、つい触ってみたくなる衝動に駆られます。一方、山野さんの作品は奇想天外。動物や植物をモチーフに、自身の体験や記憶からイメージを膨らませ、独創的に展開。物語を感じさせる自由でユニークな作品は、ストーリーのひとこまを切り取ったようです。

作品の表現は異なる2人ですが、うつわは日々の生活の中でどのように使われるかを思い描きながら制作し、オブジェは、空間に展示されて初めて完成すると考え、その在り様をイメージしながら制作するという点は一致しているそう。そんな2人の作品が、昂KYOTOとイムラアートギャラリー京都のふたつのギャラリーで見ることのできる今回の展示は、それぞれどのような空間になっているのか比べてみるのも楽しみ方のひとつではないでしょうか？　

ふたつの異なる会場の特徴とそこに展示する作品の在り方から考えられた本展のタイトルは「Garden＋Room」。街中の通りから少し奥に入った、建物の２階スペースにある昂KYOTOは「部屋 / Room」、通り沿い、ガラス張りでオープンな印象を与えるイムラアートギャラリーは「庭 / Garden」をイメージしています。

紅葉も楽しみな人気の京都で、散策のひと時、ぜひ立ち寄ってみてください。（Pen編集部）