
Durga Bai「巣作り」 アクリル、インク/紙
目を奪われる鮮やかな色彩に憎めない表情の動物たち。大胆な色遣い・構図ながらこまかなパターン模様が印象的なゴンド画は、近年コンテンポラリーアートとしてヨーロッパやアメリカの美術館でも展示され、注目を集めています。
そもそもゴンド画とは、インド中央部のマディヤ・プラデーシュ州に居住する先住民族ゴンド族とパルダーン族によって描かれる伝統的な民族画。農耕を生活の軸にしていた先住民族が、村の儀礼の際に家の土間や壁に描いていた絵が原点となっているのだそう。
古来より先住民族の間には「森に神が宿る」とする独自の自然信仰があり、ゴンド画のモチーフにも馬や牛、鳥、魚、虫など、森に棲む生き物が多く登場。動植物をかたどった独創的な図柄とそのなかに描かれる連続的で精密なパターン模様は、ゴンド画の大きな特徴です。その中にも画家それぞれにモチーフの選び方や構図、パターン模様や色彩の傾向があり、一堂に会する今回の展示はそこも見どころ。個性あふれるバラエティに富んだ作品の中からお気に入りの一枚を探してみて下さい。
今回で3度目となる今展覧会。インド国内外で活躍する23名の画家が参加し、原画はもちろん、絵本やグッズを紹介するなど盛りだくさんの内容となっています。京都では、巡回展記念として、インド・ジャイプールで製作する天然石18金ジュエリーブランド「Aasma」、ヘナを使ったボディーアートを紹介する「楽癒館」の出店も予定。
週末は異国のアートにひたるすてきな休日をお過ごしください。(Pen編集部)

Subhash Vyam「ゾウへの語らい」アクリル、インク/紙

Rajendra Shyam「ライオン」アクリル、インク/紙