店内に足を一歩踏み入れると、50〜70年代初頭の鮮やかな色彩やグラフィックに体が包まれます。床や壁はもちろん天井まで覆い尽くされているのは、往年のデザイナー、アレキサンダー・ジラードの作品。普段は機能的な現代オフィスチェア「アーロンチェア」などを陳列している東京・丸の内の「ハーマンミラーストア」が、ガラリと内装をつくり変えて挑んだ展示イベント、「アレキサンダー・ジラード展 ー 彼の独創的なビジョンが生み出した世界」が開催されています。
このワクワクする高揚感は、おしゃれなレトロカフェに迷い込んだときと似ています。家具やクッションのテキスタイル、天井を飾る布やパネルなどは、チャールズ・イームズとジョージ・ネルソンによってハーマンミラー社に招かれ、1952年から22年間活躍したジラードが生み出したもの。高いクオリティで統一されたこの空間は、ミッドセンチュリー・インテリアのファンにとって夢のような理想の場でしょう。「インテリアを眺めながらコーヒーでも飲めたら」と思う人も多いでしょうが、ここはカフェでなく家具店。ですが今回に限り、来店者は特別な豆のコーヒーを店内で味わうことができます!その話は後半にて。(次ページヘ続く)
店内を構成する大多数は販売商品です。注目は、ブラ二フ航空の空港ラウンジのためにジラードがデザインした製品の復刻版。チェアやコーヒーテーブル代わりにも使える直径910mmの丸いオットマン(前ページのトップ写真参照)と、大理石とアルミニウムのミニテーブルがあります。イームズやネルソンがデザインしたチェアにジラードのテキスタイルを張ったストア限定品も早いもの勝ちですから、ほしい方はどうぞお急ぎください。
10月24日(土)〜11月7日(土)まで2週間限定のこのイベントは、ハーマンミラーストアの5周年を記念した試み。ジラードの孫、アレイシャルとコーリー、さらにハーマンミラー・グローバルブランディングディレクターのサム・グローも来日し、イベントを祝いました。期間中に来店した人にサービスされるコーヒーは、東京・千駄ヶ谷にあるコーヒースタンド「ビー ア グッド ネイバー COFFEE KIOSK SENDAGAYA」が選定したスペシャルコーヒー。日常の喧騒から離れてゆっくりと店内を散策し、往年の時代にタイムスリップするひとときを味わいませんか?(写真・文 高橋一史)
アレキサンダー・ジラード展ー彼の独創的なビジョンが生み出した世界
開催期間:〜11月7日(土)
入場無料
問い合わせ先/ハーマンミラーストア
TEL:03-3201-1840
ハーマンミラーストア
東京都千代田区丸の内2-1-1 丸の内 MY PLAZA
営業:11時30分〜20時
不定休
TEL:03-3201-1840