平成25年秋から26年夏にかけて、華道家の片桐功敦さんは福島県、相馬地方の各地をめぐって花を探し、南相馬市博物館の資料を花器として花を活け、取材・撮影活動を続けてきました。
今回花器とした土器等のさまざまな博物館資料は、永い歴史の中で積み重なった「地層」から掘り出された、無数の命を繋ぐ象徴です。それらと私たちが日々何気なく目にする花々が掛け合わされた作品には緊張感が与えられ、花のもつ凛とした生命力が伝わります。地層から生まれた花の、“いけばな”としてささげられた姿。それは今を生きる私たちへ、次代へ繋ぐ命の尊さを教えてくれます。
本展示では、片桐さんの写真作品と、花器となった博物館所蔵の資料がコラボレーション。東日本大震災と原発事故の影響がいまだ残る南相馬市のこれからを考えるきっかけになればという願いが込められています。
開催にあたり、本展作家片桐功敦さんや赤坂憲雄さん(福島県立博物館館長)、管啓次郎さん(明治大学教授・詩人)を迎えての記念フォーラム「希望としてのRewilding(再野生化)」も開催。時間の経過では薄れない記憶と、大自然が持つ回復力、人と自然の未来のあり方を考えます。(Pen編集部)
3.11後のあの場所に生きる自然との対話
華道家 片桐功敦作品展「SACRIFICE−眠る地層にささげる花」
開催期間:10月24日(土)〜12月6日( 日)
南相馬市博物館
福島県南相馬市原町区牛来字出口194
開館時間:9時~16時45分(最終入館は16時まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般¥300(¥250) 高校生¥200(¥150) 小中学生¥100(¥80)
※( )内は20名以上の団体割引料金 市内と飯舘村に居住・通学・住所を有する小中高生は無料です。
特別記念フォーラム
「希望としてのRewilding(再野生化)」
開催日時:11月29日(日)13時半〜15時半
開催場所:南相馬市博物館シアター
定 員:80名
パネラー:赤坂憲雄氏(福島県立博物館館長) 片桐功敦氏(花道みささぎ流家元) 管啓次郎氏(明治大学教授・詩人)
TEL:0244-23-6421
http://www.city.minamisoma.lg.jp/index.cfm/24,html