林 友子さんは、土と木を使って額縁や花台、オブジェなどを制作する造形作家です。明日11月1日(日)〜8日(日)まで、かつての縁切寺として知られる、北鎌倉東慶寺で「林 友子 土のお経展」が開かれます。
林さんの作品に使われる土は、千葉や岩手で採取したもの、沖縄から届くもののほか、陶土、左官材、屋根葺き材などさまざま。作品のテーマに合わせた土選びに始まり、粘土をふるいにかけて材料をつくり、壁面に塗り重ね、磨き、色味とマチエールを積み上げていきます。
土を塗る木パネルも自らつくり、そして土を盛った平面に文字や仏を彫って作品が生まれます。ひとつの作品にかかる時間は下地づくりから完成まで約3カ月を要するといいます。
今回は、展示場がお寺ということで、お経をテーマに、証道歌や延命十句観音経などのお経を掘った作品を制作。色土のピースを組み合わせて、浄瑠璃寺摺仏を写した平面作品や、ガラスに土を塗って搔き落とし、文字や仏を描き出した作品も展示されます。土と木を使い、丹念に磨きとマチエールを重ねた作品は、まるで何百年もそこにあったかのうような、深い味わいがあります。
鎌倉の紅葉狩りシーズンの最中、土で彫られた仏様に会いに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。(阿部博子)
「林 友子 土のお経展」
11月1日(日)〜11月8日(日)
10時~17時(会期中無休)
東慶寺 ギャラリー&ショップ
神奈川県鎌倉市山ノ内1364
会期中無休
TEL:0467-50-0460
http://www.tokeiji.com