“謎”に迫る意欲的な展示が話題。「パウル・クレー だれにも ないしょ。」展がいよいよ始まる!

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    スイスを代表する前衛画家であるパウル・クレーの個展が、世界でも類を見ないほど多く開催されている国をご存知ですか? そう、なんと日本なんです。では、その人気の秘密はなにかというと、それは彼の謎めいた作風にあるようです。

    クレーといえば、記号的なモチーフを変則的に組み合わせたミステリアスな作風でお馴染みですが、近年の研究で作品の下塗り層や裏側に様々な暗号やメッセージを忍ばせていたことが発見され、さらなる注目を集めています。

    そんなクレーが投げかけた“謎”に迫る意欲的な「パウル・クレー だれにも ないしょ。」展が、7月5日から宇都宮美術館で開催されます。今回、出展される作品の総数は約110点にも及び、そのうち31点は重要作品を所蔵するスイスのパウル・クレー・センターと遺族の全面的な協力で来日を果たす、日本初公開の作品になるとのこと。そして、その中には、画中に“隠しイメージ”が埋め込まれた作品も数多く出品され、彼の独創的な手法や潜んでいる秘密が解き明かされていきます。

    また、キャンバスの表裏に絵画を描いて双方の内容を関連づけた作品については、両面が見えるように展示するなど、趣向を凝らした展示方法も見どころになっています。

    展示を通じて、20世紀を代表する画家の深層心理に迫るようなスリリングなアート鑑賞なんて、これは得がたい体験になりそうですね。9月19日からは、兵庫県立美術館にも巡回するので、このチャンスをお見逃しなく!(遠藤匠)

    上写真:パウル・クレー『無題(子どもと凧)』1940年頃 パウル・クレー・センター(ベルン)蔵 ⓒ Zentrum Paul Klee c/o DNPartcom
    ※作品1の『無題(子どもと凧)』と表裏に制作

    パウル・クレー『無題(花と蛇)』1940年頃 パウル・クレー・センター(ベルン)蔵 ⓒ Zentrum Paul Klee c/o DNPartcom

    パウル・クレー『魔が憑く』1939年 パウル・クレー・センター(ベルン)蔵 ⓒ Zentrum Paul Klee c/o DNPartcom

    パウル・クレー『洋梨礼讃』1939年 個人蔵(スイス)パウル・クレー・センター(ベルン)寄託 

    『パウル・クレー だれにも ないしょ』展

    ■栃木会場:宇都宮美術館
    開催期間:2015年7月5日(日)~9月6日(日)
    開館時間:9:30~17:00 ※入場は16:30まで
    8月11日(火)〜16日(日)は19時まで開館 ※入場は18時30分まで
    休館日:月曜日(7月20日は開館)、7月21日(火)
    TEL:028-643-0100
    http://u-moa.jp/exhibition/schedule.html