禁欲的な饅頭、繊細な団子があってもいいじゃないか。
和菓子をつくろうと思い始めた頃、そう考えていた。 ――本書より
「ミナ ペルホネン」や「マリコメッコ」とのコラボレーションなどでも話題の和菓子店「HIGASHIYA(ヒガシヤ)」代表 緒方慎一郎氏の初コンセプトブックが刊行されました。和菓子を取り巻く、「果子(つくる)」「包(そえる)」「茶(ふるまう)」「店(むかえる)」「室礼(くつろぐ)」「同朋(つどう)」など様々な角度から、緒方慎一郎氏の軌跡を集約したこの一冊。内容は和菓子店「HIGASHIYA」の存在意義から、その背景や縁ある人々、日本を表現する自身の哲学にも及びます。
著者の緒方慎一郎氏は、和食料理店「八雲茶寮」「HIGASHI-YAMA Tokyo」、和菓子店「HIGASHIYA」、プロダクトブランド「Sゝゝ[エス]」などを展開。自社ブランドのみならず、由布院「山荘 無量塔」や「アンダーズ 東京」の空間デザインも手がけています。幅広い活動を行っていますが、すべては“日本”をどう置き換え、どう後世に残していくのかという思いで結ばれています。
初の著書『HIGASHIYA』は、美しい装幀も印象的。凛とした慎ましさのなかに緻密なこだわりが詰まっています。透かしの薄紙を捲ると、タイトルと著者名が型押しされた蝋引き紙の表紙がお目見え。左端の白地は、「HIGASHIYA」の羊羹などの箱とぴったり同じサイズという見立ての遊び心も。「和菓子のようにしたかった」と語る緒方氏の言葉の通り、贈り物にも相応しい一冊です。和菓子を添えて差し上げたならば、このうえなく趣あるギフトになることでしょう。(外川ゆい)
目の前に箱が置かれたそのときから、ギフトは始まっている。――本書より
宝石箱のようなチョコレートの舞台に、和菓子もあがる価値がある。――本書より
そんな想いから誕生した「ひと口果子」。
「HIGASHIYA GINZA」のエントランス。売店の奥には、茶房を併設。
カバーを外した状態でも美しい装幀が魅力的。
『HIGASHIYA』
著者:緒方慎一郎
構成・寄稿:松岡正剛
写真:泊昭雄
発行:株式会社青幻舎
定価:3,900円+税
HIGASHIYAGINZA ヒガシヤギンザ
東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル2F
TEL:03-3538-3230
営業時間:11時~19時
定休日:月曜(祝日の場合は翌火曜)
HIGASHIYA man ヒガシヤ マン
東京都港区南青山3-17-14
TEL:03-5414-3881
営業時間:11時~19時
無休
http://www.higashiya.com/
※書籍『HIGASHIYA』は全国書店でも販売