「チビ太」から「ウナギイヌ」まで、赤塚不二夫が描いた名キャラたちの誕生が明らかに!

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    展覧会のチラシ。赤塚不二夫氏を中心に、おなじみのキャラクターたちが周囲をうめつくす。

    今年は「ギャグ漫画の王様」と称される漫画家の赤塚不二夫の生誕80周年にあたります。それを記念して、明治大学米沢嘉博記念図書館で「赤塚キャラ誕生のひみつ展」が開催されています


    赤塚不二夫が描いたチビ太、アッコちゃん、イヤミ、バカボンのパパ、ニャロメ、ウナギイヌ、そして作者の赤塚不二夫など、お馴染みのキャラクターが集合した原画をはじめ、各キャラクター誕生の瞬間を描いた原画類なども紹介されています。自身の生い立ちや創作したキャラクターなどについて、赤塚不二夫本人が語る映像もあります。


    場所は東京・御茶ノ水にある米沢嘉博記念図書館の1階の展示室。それはシャイだった赤塚らしい、きわめてささやかな展示といえるものです。しかし、そのささやかな展示は、赤塚不二夫という巨大なギャグ漫画の世界へと続く大きな入り口となっているようです。2階の閲覧室には赤塚の関連図書コーナーが新たに設けられています(閲覧室の利用には有料での登録が必要)。


    赤塚不二夫は、昭和10(1935)年、旧満州国に生まれました。終戦後、苦難のなかを帰国。手塚治虫の『ロストワールド』に影響を受けて漫画家を目指したといわれます。昭和31(1956)年、『嵐をこえて』でデビュー。石ノ森章太郎、藤子不二雄らが住む東京都豊島区にあった「トキワ荘」に入居。1960年代以降、『おそ松くん』『ひみつのアッコちゃん』『天才バカボン』『もーれつア太郎』『レッツラゴン』などヒット作を連発し、「ギャグ漫画の王様」といわれました。平成20(2008)年、72歳で亡くなりました。


    葬儀の際、タモリが読んだ弔辞の一節が赤塚と彼の漫画に対する優れた批評となっています。タモリはこういいました。

    「あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに、前向きに肯定し、受け入れることです。それによって人間は重苦しい意味の世界から解放され、軽やかになり、また時間は前後関係を断ち放たれて、その時その場が異様に明るく感じられます。この考えをあなたは見事に一言で言い表しています。すなわち『これでいいのだ』と」

    タモリは弔辞の最後を、「私もあなたの数多くの作品のひとつです」と結んでいます。悪人が登場しない漫画といわれる赤塚漫画。その無限のギャグ漫画の魅力は、今でも私たちをとらえて離さないのです。(赤坂英人)

    『おそ松くん全集』31巻 カバーイラスト原画(1975年)

    キャラクターに囲まれる赤塚不二夫(2000年)

    赤塚不二夫 生誕80周年 赤塚キャラ 誕生のひみつ展

    6月19日(金)~10月4日(日)
    明治大学米沢嘉博記念図書館 1階展示室
    東京都千代田区猿楽町1-7-1
    TEL:03-3296-4554
    開館時間: 14時~20時(月、金) 12時~18時(土、日、祝)
    休館日:火、水、木(祝日は開館)
    入場無料  
    ※閲覧室の利用には有料での会員登録が必要です。
    www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib