2013年、ユネスコ無形文化遺産に「和食」が登録されて以来、2020年の東京オリンピックに向け、さらなる加速を続けている和食ブーム。その背景に、戦争時の体験からひとりでも多くの人に食べ物を確実に届けたいという思いをもち、アメリカで和食の普及に力を尽くした貿易・流通会社の会長・金井紀年の存在があったことを知る人は決して多くはありません。この映画は、現在90歳を超える金井紀年を軸としたドキュメンタリー作品ですが、彼のほかにも、職業移民としてアメリカに渡った寿司職人など、海外で活躍し、和食ブームを支えてきた料理人や日本食メーカー関係者たちが多数登場しています。
「和食」という概念はいま、“正しいもの”に再構築されようとしていますが、いわゆるカリフォルニアロールやラーメンバーガーのような、海外の食文化と融合した日本食も、この映画では異端扱いを決してしていないところがとても興味深いのです。逆に、なぜそのようなものが生まれたのかという理由を、先人たちの血のにじむような苦労話とともに、ニュートラルな立場で伝えている点にとても意義を感じます。さまざまなカタチの和食と、和食というものへのアプローチが登場しますが、最後には、その表面的な違いを超えた「和食の真髄」にこの映画はたどり着いています。その話を聞けばきっと、日々の食事に感謝し、日本人としての誇りをもつとともに、これからはよりしっかりとした“和食”を食べていきたい、そう思うはずです。(Pen編集部)
「和食」という概念はいま、“正しいもの”に再構築されようとしていますが、いわゆるカリフォルニアロールやラーメンバーガーのような、海外の食文化と融合した日本食も、この映画では異端扱いを決してしていないところがとても興味深いのです。逆に、なぜそのようなものが生まれたのかという理由を、先人たちの血のにじむような苦労話とともに、ニュートラルな立場で伝えている点にとても意義を感じます。さまざまなカタチの和食と、和食というものへのアプローチが登場しますが、最後には、その表面的な違いを超えた「和食の真髄」にこの映画はたどり着いています。その話を聞けばきっと、日々の食事に感謝し、日本人としての誇りをもつとともに、これからはよりしっかりとした“和食”を食べていきたい、そう思うはずです。(Pen編集部)
『和食ドリーム』
製作総指揮:鈴木隆一、渋谷尚武
出演:金井紀年(共同貿易 会長)、村田吉弘(菊乃井 主人)、ジョエル・ロブション(ロブショングループ オーナーシェフ)ほか
2014年 日本、アメリカ映画 1時間47分 配給:フイルムヴォイス
4月11日(土)からテアトル新宿ほかにて全国順次ロードショー
www.washokudream.jp