ルーヴル美術館の展覧会は、これまでにいくつも開かれてきていますが、今回の展覧会はより親しみを感じると思います。なぜならそこに描かれているのは人々の「日常」だから。この展覧会は16世紀から19世紀なかばまでのヨーロッパ風俗画の名品で構成されているのです。地べたに座った少年や、寝そべってこちらを見る愛くるしい女性、穏やかな食卓の光景など、王様や貴族の威厳に満ちた肖像画とは違う、見る人の心にじわっとくるような絵画です。画家の視線を通して私たちは、人々の一日一日の尊さを、目にしているのかもしれません。初来日のフェルメールの『天文学者』はもちろん、それ以外にもティツィアーノやレンブラント、巨匠の見逃せない作品がたくさんあります。ルーヴル美術館には行ったことがあるという方にも、お薦めしたい展覧会です。(Pen編集部)
『ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄』
~6月1日(月)
国立新美術館 (企画展示室1E)
東京都港区六本木7-22-2
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時~18時、金曜と5/23~24および5/30~31は20時まで、4/25は22時まで開館(いずれも入場は閉館の30分前まで)
料金:一般¥1,400
休館日:火、ただし5/5と5/26は開館。
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