外国からも注目される“bonsai”、老舗「清香園」五代目・山田香織の新作を見に行こう。

    Share:

    赤松石付き盆栽。

    「盆栽町」という地名が埼玉県さいたま市(旧大宮市)にあります。その昔、東京の下町に盆栽園が多く存在していましたが、関東大震災をきっかけに、大宮へ移住しつくられた町です。この一帯は「盆栽村」と呼ばれ、現在残る六軒の盆栽園のうちの一軒が、清香園です。その五代目を取上げた特別展『春季特別展 Essence of BONSAI-山田香織の「盆山十徳」』が大宮盆栽美術館で始まりました。

    江戸の嘉永年間から続く清香園の五代目は、なんと30代の女性。女流盆栽家として活躍する山田香織さんは、1999年に「彩花盆栽教室」を設立し、その魅力を世に伝えてきました。「彩花盆栽」とは、風景をより具体化するために枝ものと草ものを使い、寄せ植えで行うもの。多様性があり、限られた空間の中でも華やかかつやわらかな世界が広がります。

    彼女は常に、「盆栽を楽しみ、愛でる本質は時と国境を越える」と信じ、その魅力を伝えています。今回の個展では、室町時代に存在した盆栽賛歌「盆山十徳」の詩句からインスパイアされた作品を新たに制作、展示しています。いまや外国人からも大人気の盆栽、あらためてその魅力を感じてみませんか。(Pen編集部)

    長寿梅石付き盆栽。

    女流盆栽家・山田香織は清香園五代目。

    『春季特別展 Essence of BONSAI-山田香織の「盆山十徳」』
    ~4月8日(水)

    会場:大宮盆栽美術館 コレクションギャラリー
    住所:埼玉県さいたま市北区土呂町2-24-3
    TEL:048-780-2091
    開館時間:9時~16時30分(3月~10月) 9時~16時(11月~2月)
    入場料:一般¥300
    www.bonsai-art-museum.jp