電気シェーバーや電動歯ブラシでおなじみの、ドイツの電気機器メーカー「BRAUN（ブラウン）」から、名作電卓の“白色”モデルが復刻されました。

1981年に発売された通常版のET55は、ニューヨーク近代美術館（MoMA）にも収蔵されるなど、BRAUNの電卓の中でも特に愛されているプロダクト。長時間の打鍵も苦にならないクッション性のあるボタンは、見やすさを考慮した配色が施されています。デスク以外で使われることを想定した付属のプロテクトカバーは、持ち運びに便利なデザイン。実用性と耐久性を兼ね揃えたその姿は、創業者のブラウン親子が追求したBRAUNのデザインを体現しているといえます。

その名機の限定色として、1983年に約5000台のみ製造されたのが、今回復刻する“白色”モデル。その希少性から、オリジナル品はオークションでも高値がつく状態で、このモデルの復刻を望む声も多く、30年以上の時を経てついに現代によみがえりました。

復刻版といえども、そのデザイン性はいまなお色褪せることがありません。インダストリアルデザインの機能美、ユーザビリティのあり方を見つめなおすことのできる逸品です。（高柳 圭）