美術館で「あじわう」!? 好奇心を刺激する、金沢21世紀美術館の開館10周年プログラム。

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    本プログラムのPRポスターに使われた1枚。諏訪綾子 『Scent of woman』 2014 <font size="1">Photo: Hiroshi Iwasaki+ ウシ頭骨 東京大学総合研究博物館</font>

    “感情”や“感覚”を五感であじわう……。美術館では珍しい味覚体験ができるのは、金沢21世紀美術館で行われている『好奇心のあじわい 好奇心のミュージアム フードクリエイション+東京大学総合研究博物館』でのこと。これは同美術館が開館10周年を機に実施中の展覧会+パフォーマンス+地域参加型のプログラムです。プログラムの中心となるのは、新たな食の価値を提案するアーティスト・諏訪綾子率いるフードクリエイションと、先端諸学を推進する教育研究機関であると同時に新しい学芸事業のあり方について先導的な役割を果たす東京大学総合研究博物館。


    フードクリエイションは、公募で集ったプログラムメンバー(通称:テイストハンター)とともに収集した好奇心をかきたてる食材を「好奇心をあじわう小部屋」に展示。「感覚であじわう感情のテイスト」を来場者にあじわってもらう「あじわいの体験」を実施しています。美術館の開館記念日である10月9日を中心に開催される「好奇心の祝宴」では、7つの展示室に東京大学総合研究博物館による「驚異の部屋(ヴンダーカンマー)」が展開されるとともに、フードクリエイションが生み出す「あらたなテイスト」が提供されます。驚異の部屋とは、15世紀から18世紀にかけて好奇心のおもむくままに自然物や人工物が陳列された空間のことで、博物館の原点とも言われています。


    実にユニークな本プログラムは今年4月より始動し、すでに50以上の「好奇心の食材」が集められ400人以上の来場者が「あじわいの体験」に参加しています。今後は不思議な味わいの体験ができる「ゲリラレストラン」なども美術館の内外で行われる予定。空腹を満たすためでも美食を楽しむためでもない、「あらたなテイスト」という名の未知との遭遇をお試しあれ!

    「好奇心をあじわう小部屋」はまるでラボのような作り。集められた食材は東京大学が所蔵する約1000個の小瓶などにアーカイブし展示される。
    <font size="1">Photo : KIOKU Keizo</font>

    「あじわいの体験」では、感情や感覚を表現したテイストを誰でも味わうことができる。メニューや体験内容は美術館ウェブサイトにも掲載。
    <font size="1">Photo : KIOKU Keizo</font>

    『好奇心のあじわい 好奇心のミュージアム 
    フードクリエイション+東京大学総合研究博物館』

    ~2015年3月31日(火)

    金沢21世紀美術館 
    石川県金沢市広坂1-2-1
    TEL:076-220-2814
    開場時間:10時~18時(月~木、日)10時~20時(金、土)
    休:月(ただし8月11日は開場)
    料金:無料(イベントにより有料の場合もあり)
    www.kanazawa21.jp