美術を通して、名随筆『徒然草』を知る展覧会がサントリー美術館で始まります。

    Share:

    『徒然草絵巻』 海北友雪 筆 二十巻のうち巻一(部分) 江戸時代 17世紀後半 サントリー美術館蔵

    『徒然草』といえば、「つれづれなるままに、日ぐらし硯に向かひて……」の冒頭を、学生時代にノートに書いた方も多いことでしょう。鎌倉時代末期、兼好法師によって書かれた『徒然草』は、『枕草子』『方丈記』と並ぶ日本三大随筆のひとつ。この長く人々に親しまれてきた『徒然草』にまつわる美術展が、サントリー美術館で6月11日より始まります。
    見どころは近年サントリー美術館の収蔵品に加わった、海北友雪(かいほうゆうせつ)筆の『徒然草絵巻』二十巻。初公開されるこの絵巻は、やさしい色調、穏やかな筆致が目に心地いい名品。思案中の兼好法師など、さりげない描写ながら、スナップ写真のような見せ方も見事です。
    『徒然草』は成立後、約100年は注目されることがなかったのですが、江戸時代に入ってから広まり、「徒然絵」と呼ばれる絵画作品が登場しました。今回の展覧会では、前述の絵巻のほか、華やかな屏風や墨でサッと描かれた絵図など、多彩な表現で、『徒然草』の名場面をたどることができます。あらためて、日本の名随筆に美術を通して触れてみませんか。(Pen編集部)

    『徒然草図屏風』 伝住吉如慶筆 六曲一双のうち左隻 江戸時代 17世紀 熱田神宮蔵

    『兼好法師図』 尾形乾山 筆 一幅 江戸時代 17世紀後半~18世紀前半 個人蔵

    『徒然草 美術で楽しむ古典文学』
    6月11日~7月21日

    サントリー美術館 
    東京都港区赤坂9-7-4 六本木・東京ミッドタウン ガレリア3F
    TEL:03-3479-8600
    開館時間:10時~18時(金・土および7/20は20時まで開館、いずれも入館は閉館30分前まで)
    休館日:火
    入場料:一般¥1,300
    http://suntory.jp/SMA
    ※会期中展示替を行います。