5月18日の会期終了まであと少しとなりましたが、東京国立博物館で開催中の『キトラ古墳壁画』展、もうご覧になりましたか? キトラ古墳は奈良県明日香村にある、7世紀末~8世紀初めに築造された古墳。1983年にファイバースコープによって壁画が発見され、その後の調査で、壁に四神と獣頭人身の十二支、天井に天文図と日月像が描かれているとわかりました。今回の展覧会は、壁画を取り外し、保存・修理をすることを機に実現したもので、四神のうち朱雀・白虎・玄武、十二支のうち子と丑が、なんと東京で展示されています。古墳内の絵は、中国の陰陽五行思想に基づき、石室をひとつの宇宙に見立て、埋葬された故人の魂を鎮めるために描かれたと考えられています。当時の中国の流行を取り入れながら描かれた四神や十二支は、素朴ながらのびやかな筆致で、「描く」という行為と、いにしえの人々について、さまざまな想像を掻き立てます。次に公開されるのは、明日香村に新設される壁画保存施設で、2016年度の予定。貴重な機会を知っていただきたく、閉会が迫っていますがあえてのニュースです。(Pen編集部)
特別展『キトラ古墳壁画』
4月22日(火)~5月18日(日)
東京国立博物館 本館特別5室
東京都台東区上野公園13-9
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9時30分~17時(金曜は20時まで、土・日・祝日は18時まで、いずれも入館は閉館30分前まで)
休館日:月
入場料:一般¥900
http://kitora2014.jp