「麗子像」の洋画家・岸田劉生、その親子三代の知られざる精神の系譜を探る展覧会。

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    岸田劉生の父でジャーナリスト・実業家だった吟香(左上、岸田劉生『吟香案詩之像』1925[大正14]年1月)、画家・劉生(右上、岸田劉生『自画像』1917[大正6]年6月23日 平塚市美術館蔵)、画家の愛娘でモデルとなった麗子(下、『童女図(麗子立像)』 1923[大正12]年4月15日 神奈川県立近代美術館蔵)

    画家・岸田劉生が愛娘をモデルに描いた『麗子像』。美術の教科書などで一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。しかし近代洋画界の巨星と期待されつつも38歳で急逝したことや、その後の麗子の人生など、意外に知られていません。また彼の父が凄い人なんです。劉生の父・岸田吟香は、日本初の和英辞書の編集、毎日新聞の前身である東京日日新聞の主筆、日本初の従軍記者などジャーナリストとして活躍する一方で、日本初の液体目薬を銀座に出店して販売、東京・横浜間の蒸気船定期航路の運行など、実業家としても成功。高橋由一、小林清親ら美術家とも親交があった幕末~明治時代の傑物でした。また娘の麗子は武者小路実篤に私淑し、画家、小説家、演劇人として生き、晩年には評伝『父・岸田劉生』を書き上げています。
    世田谷美術館で開催中の「岸田吟香・劉生・麗子 知られざる精神の系譜」では、吟香の関連資料や、劉生の代表作「麗子像」9点をはじめとする油彩画など約330点を紹介。いまだ知られていない親子三代の物語をたどります。(Pen編集部)

    『岸田吟香・劉生・麗子ー知られざる精神の系譜』
    2月8日~4月6日

    世田谷美術館
    東京都世田谷区砧公園1-2
    TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
    休館日:月曜日
    開館時間:10時~18時
    観覧料:一般¥1,200 65歳以上¥1,000 大高生¥800 中小学生¥500
    http://www.setagayaartmuseum.or.jp/