伊万里焼、と聞くと高級料亭や骨董品のイメージですが、歴史をひもとくと世界中から脚光を浴びた、元祖メイドインジャパンといってもいい器なのです。江戸時代初期、いまの佐賀県有田地方でつくられたのが、日本で最初の磁器・伊万里焼。
もとは朝鮮半島の技術を基礎に、中国・景徳鎮窯を手本にしたものでした。それがオランダ東インド会社によって輸出されると高い技術と繊細な美しさで、またたくまにヨーロッパの王侯貴族を熱狂させます。ドイツのマイセン窯やオランダのデルフト窯など名だたる窯でも模倣されていました。
1月25日から東京ミッドタウンのサントリー美術館で始まる『IMARI/伊万里 ヨーロッパの宮殿を飾った日本磁器』展では、日本初公開となる輸出用伊万里を中心に重要文化財『色絵花鳥文八角大壺』など約190作品を展示。
輸出の幕開けから柿右衛門様式、金襴手様式などの全盛期、のちに中国磁器が再び輸出されるようになり、伊万里のスタイルを模倣した「チャイニーズ・イマリ」が登場するなど、競争に破れて衰退していく4つの時代にわけて紹介します。
江戸時代のモノづくりニッポンに想いを馳せながら作品を鑑賞するのも乙なものではないでしょうか。(Pen編集部)
『IMARI/伊万里 ヨーロッパの宮殿を飾った日本磁器』
1月25日(土)~3月16日(日)
サントリー美術館
港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
TEL:03-3479-8600
開館時間:10時~18時 (月、水、木、日)
10時~20時(金、土) 2月10日(月)は20時まで、2月11日(火・祝)は18時まで開館
休館日:火
入館料:一般¥1,300 大学・高校生¥1,000 中学生以下無料
http://suntory.jp/SMA/