若手向けの国際デザイン賞、「ジェームズ ダイソン アワード」の国内最優秀賞作品はコレ!

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    今年の国内選考の最優秀作品、「The Bottle Pack」。途上国での水の調達の問題を改善するアイデア。フアさんには賞金2,000ポンド(約27万円)が贈られた。

    ユニークなサイクロン掃除機で知られる発明家でダイソン社の創業者、ジェームズ・ダイソンが始めた国際的なデザイン賞、「ジェームズ ダイソン アワード」をご存知でしょうか?
    次世代のデザインエンジニアの支援・育成を目的に、毎年開催されているこのアワードは、「日常の問題を解決する様々なアイデア」をテーマに、世界18カ国の大学で工業デザイン、プロダクトデザイン、工学を専攻する学生と卒業後4年以内の卒業生を対象に行われています。

    この「ジェームズ ダイソン アワード2013」の日本国内最優秀賞と第1次審査通過作品の計5作品が発表されました。今年の最優秀賞受賞作品は「The Bottle Pack」。飲料水のペットボトル12本を背負って、発展途上国や災害地などの舗装されていない道でも最大24Lの水を運ぶことができるバックパックです。
    名古屋芸術大学デザイン学部を卒業したフレデリック・フアさんが発案・制作しました。同率2位の2作品は名古屋市立大学大学院在学中の奥田勇さんと鶴見慎吾さんが考案した、ペットボトルキャップを使った安全な注射針廃棄容器「ARESA」と、東京大学大学院卒業の山浦博志さん、近藤玄大さん、千葉工業大学大学院卒業の小西哲哉さんの3人の、機能を限定することで低コスト化した義手「Handie」が選ばれました。

    日本の第1次審査を通過した5作品は、世界18カ国から選ばれた作品とともに、第2次審査へ進みます。財団創始者ジェームズ・ダイソンによる国際最終審査の結果は11月7日に発表される予定。このデザイン賞参加者のなかから、サイクロン掃除機のようなユニークな発明が出てくることを期待しましょう!(Pen編集部)

    糖尿病患者の増加でインシュリンを打つ人が増えている。注射針の不適切な廃棄が原因の事故を防ぐために、ペットボトルのキャップを使った注針廃棄容器「ARESA」を考案。

    失われた手の動きを残された筋肉の電気信号をもとに再現する、高機能な「筋電義手」が開発されているが、まだ高価だ。低コスト化した義手「Handie」は、「握る」「支える」などの単純な動作に機能を限定した。