ピカソやゴーギャンらに好まれ、没後、その幻想的な世界観が評価された画家、アンリ・ルソー。
ルソーはパリの入市税関に22年勤め、退職後は画業に専念しました。40歳から独学で描き始めた彼は、どんなに人から嘲笑されようと、描くことをやめませんでした。
世田谷美術館で開催される『アンリ・ルソーから始まる 素朴派とアウトサイダーズの世界』展では、ルソーの作品4点を出発点に、世界中で見出された「素朴派たち」、そして心の中に深い闇を抱えながらも創作に生きる意味を見出した 「アウトサイダーたち」の作品が展示されます。
ルソー作品は、初期の風景画、人物画、晩年の風景画を展示。唯一の版画作品『戦争』は、出版当時の状態で展示されます。特に美術の専門教育を受けず、ただ描きたいという強い衝動によって創作を行った彼らは、どのような経緯で作品を生み出すに至ったのでしょうか。展覧会では、「余暇」「晩年」「放浪」「心の中」などの10のキーワードをもとに、関連する近現代の作品も合わせて約140点を展示します。
近年再注目される「アール・ブリュット」のコーナーも。純然たる「芸術家」とは異なる彼らのような存在は、わたしたちにとっても、芸術とは何かを再考させてくれる示唆に満ちています。(Pen編集部)
『アンリ・ルソーから始まる
素朴派とアウトサイダーズの世界』
会場:世田谷美術館
会期:9月14日~11月10日
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時~18時(入場は17時30分まで)
休館日:月(ただし9/16、23、10/14、11/4は開館、翌火休)
料金:一般¥1,000
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/