「ティーエイチ」と「マメ クロゴウチ」によるコートは、日本の職人にオマージュを捧げた物語あるコラボレーション

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    NEWSな服&小物

    Vol.50写真:若林武志 文:森下隆太

    「ティーエイチ」と「マメ クロゴウチ」によるコートは、日本の職人にオマージュを捧げた物語あるコラボレーション

    研究室で着るようなユニフォーム姿のコートは、さまざまなシーンで重宝すること間違いなしの一着だ。

    昨年の11月、デザイナー堀内太郎による「th(ティーエイチ)」と黒河内真衣子による「マメ クロゴウチ」が共同で縫製工場を立ち上げた。アトリエをもつことでクオリティの向上を図り、なおかつ日本の職人文化を継承していくというのが狙いだ。縫製会社の名は「thmk(ティーエイチエムケー)」。設立からちょうど1年の時を経て、その名を冠したカプセルコレクションがリリースされた。

    堀内太郎は名門アントワープ王立美術アカデミーで学んだ後、ウィメンズブランド「タロウ ホリウチ」を立ち上げ、メンズウェアが中心の「th」も高い人気を誇っている。一方、黒河内真衣子は2010年にブランドをスタート。パリコレの公式スケジュールでショーを行うなど、こちらも名実備えた本格派だ。

    「クリエイションを支えるつくり手への最大の賛辞としてーー」リリースにはそんな言葉が添えられている。工場のスタッフが日常で着用できるようなユニフォームを作製したいという願いから、今回のコラボレーションがスタートした。

    エプロンやブルゾン、トートバッグなどのバリエーションがあるが、ピックアップしたのはラボコート。ボディ、アームホールともに動きやすさを考慮したワイドシルエットで仕上げてあり、ノーカラーの首元がリラックスした表情を生み出す。イージーケアなポリエステル地のボディを彩るステッチも特徴的で、黒のコートには白糸を、白のコートには黒糸を用いることで、アクセントとしての機能のみならず、”縫製”という工程を際立たせる効果も果たしている。

    研究室や工房で着られるようなユニフォームの姿を踏襲しながら、モダンな緊張感を備えたコート。着用時は優雅な存在感があり、アウターとしてはもちろん、ビッグシルエットのベストを上から羽織るようなレイヤリングも大人っぽく決まるだろう。この手のアイテムはくたくたになるまで着て、自分の体に馴染んでいく工程を楽しめるのも特筆すべき点だ。汚れや傷が愛着に変わり、長く愛せるという意味では現代的な側面も持っている。つくり手への敬意を示す、ストーリーを宿した一着だ。

    両者のイニシャルを合字で表したthmkのロゴ。これは「th(ティーエイチ)」のロゴも手がけたアーティストデュオNerholの田中義久氏が手掛けている。文字がつながる様は、いまをときめく2つのブランドの美学の融合を示している。

    大きなパッチポケットは上部とサイドから別々にモノの出し入れが可能。ペンホルダーも2本分付いており、ワークシーンのみならず日常でのさまざまなシーンで活躍するだろう。

    thmk ラボコート
    【価格】60,500円(税込)
    【素材】ウール
    【問い合わせ先】マメ クロゴウチ
    TEL:なし
    www.mamekurogouchi.com