台湾カルチャーの重要イベント、台北アートブックフェアがリアルで開催。

  • 文:近藤弥生子
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TAIPEI台北

台湾カルチャーの重要イベント、台北アートブックフェアがリアルで開催。

文:近藤弥生子

先日開催された「草率季」の会場風景。会場で使われた資材は、廃材や他のイベントで使用済みのものを再利用。つくっては壊すことを繰り返すイベント業界に警鐘を鳴らした。©草率季

去る11月13日から15日にかけての3日間、第5回目となる台北アートブックフェア「草率季」が華山1914文化創意産業園区で開催された。2020年度のテーマは「開天窗(Open Window)」。新聞が政府に検閲されていた時代、検閲に触れる言葉を書くとその部分が削除され、空白のまま印刷された。報道の自由が侵されていることを読者に知らせるため、故意に空白部分をつくったのだ。そのエピソードから生まれたこの言葉を、自由や多様性を重視したイベントであることを示すために採用したという。

また、参加が難しくなった海外のアーティストのため「#Taiwan Can Help」というスローガンを掲げ、台湾の出展者が海外アーティストの作品を販売。その一環として、今年はオンラインで開催された日本の「TOKYO ART BOOK FAIR(VIRTUAL ART BOOK FAIR)」のブースも出展し、日本で実施されたクラウドファンディングプロジェクト「VABF KIOSK」と連携してTOKYO ART BOOK FAIRのアイテムを台湾でも予約購入できるようにした。

東京アートブックフェアのアイテムが予約購入できるコーナー。©草率季

今回の出展者全275組のうち、227組が台湾から、その他が海外からの参加。3日間で延べ1万人が来場した。入場時には検温が求められたが、会場内でのマスク着用は任意とされた。また会場入り口には、台湾人アーティストのDing-yeh Wangによる巨大な「泡」が出現。手洗いが人々の新しい習慣となったことを印象付けた。

例年はアーティストやブランドの参加がほとんどだが、今年は国家漫画博物館やLGBT関連の協会、人権促進会といった団体が初参加。台湾カルチャーにおいて、台北アートブックフェアの存在感は年々大きくなっているようだ。アートブックフェアへの参加を通じて人気が出たアーティストも多く、彼らのブースには大きな人だかりができていた。

今年は国内のアートシーンでの交流を生み出す場となった台北アートブックフェア。来年は、日本をはじめ海外からの出展者の参加が待たれる。

今年で2回目の参加となる人気の台湾デザインブランド「いく! いく! 小高潮色計」のブース。©草率季

デザイナー3人がコラボして生まれたカフェ併設のアートギャラリー「森³ sunsun museum」のブース。 ©草率季