代々木上原の中華「REI」で味わいたい、香味と旨味したたる“真紅”のよだれ鶏。

  • 写真:中庭愉生
  • 文:岡野孝次
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写真:中庭愉生 文:岡野孝次

代々木上原の中華「REI」で味わいたい、香味と旨味したたる“真紅”のよだれ鶏。

REI Chinese Restaurants
代々木上原
唐辛子スナックも香しいよだれ鶏
酒のアテになる“食べるXO醬”
カウンターのひとり飯も歓迎

「よだれ鶏“REI”スタイル」¥1,500(税込)。高島シェフの故郷、山梨の信玄鶏を使用する。蒸すのではなく、ネギとショウガを効かせながら低温で長時間ボイルしたもも肉は豊潤な舌ざわり。自家製ラー油と、大豆、砂糖、塩、核酸(旨味成分)からなるシーズニングソースが味わいの決め手。ふりかけた唐辛子スナックのパリパリした食感も楽しい。メニュー記載の料理は、基本的に2人前の分量。

東京屈指の美食エリアにもかかわらず、夜は人通りも控えめで、静謐な時間も流れる代々木上原駅界隈。2020年8月に開業した「REI Chinese Restaurants(レイ チャイニーズ レストラン)」の外壁はスケルトン仕様で、一見の客にも開かれた雰囲気だ。カフェとビストロをミックスしたような空間には、ワインボトルがズラリ。中華料理店によくある朱の色彩は見受けられない。

しかし高島泰弘シェフのスペシャリテ「よだれ鶏“REI”スタイル」は、目の覚めるような赤色を放つ。さぞ辛かろうと思えば、自家製ラー油の香味と、東南アジアのたまり醤油というべきシーズニングソースの濃厚な旨味が漂う。しっとり食感の鶏肉を覆う赤い粉は、実は中国の唐辛子スナックを砕いたもの。辛さは控えめで、香ばしさが食欲をそそる。意外性と味のバランスが共存する料理は、ビール、紹興酒、ワインなどどんな酒にも合うのだ。

ほかにも四川花椒(ホワジャオ)が香る麻婆豆腐など、都内有名ホテルの広東料理店での経験が長い高島シェフは、中国各地の料理も得意とする。「チャーハンや餃子も揃え、町中華のような存在になりたい」と話す。

もちろん広東料理も素材の味が映える皿ばかり。1人前サイズから頼めるのも気が利いている。またメニューに記された「特製XOソース」は調味料にあらず。干しエビや金華ハムなど具だくさんな「食べるXO醬」ゆえ、これをアテにまず一杯、じっくりオーダーを考えるのもいいだろう。

「帆立とイカのXO炒め」¥2,400(税込)。ホタテはふっくらと、イカはやわらかく、マコモダケは適度に歯ごたえがあり、黄ニラはシャキシャキの食感に。すべてに理想的な火入れがなされている。干しエビ、金華ハム、ニンニク、エシャロットなどの旨味が凝縮した自家製・特製XOソースで炒める。特製XOソースの単品注文は¥550(税込)。

カフェのようなつくりで初めての客も入りやすい。カウンターは約10席、ひとり客も歓迎する。高島シェフは京王プラザホテル東京「南園」、豪徳寺「火龍園」、グランドハイアット東京「チャイナルーム」を経て独立。スタッフの接客も懇切丁寧で、居心地のいい空間。

代々木上原駅〜代々木八幡駅にかけては「ミシュランガイド東京」のビブグルマン掲載店が林立する食の激戦エリア。「REI」の近隣にも実力のある中華料理店が多くあるが「開店早々、地元の方に贔屓にしていただいています」と高島さん。昼間は¥1500(税込)のランチセットが揃う。