柑橘とハーブ薫るオムレツでヴァンナチュールが進む! 気取らず集えるワインバー

  • 写真:尾鷲陽介
  • 文:岡野孝次
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写真:尾鷲陽介 文:岡野孝次

柑橘とハーブ薫るオムレツでヴァンナチュールが進む! 気取らず集えるワインバー

ガゼボ
清澄白河
バラエティ豊かな自然派ワイン
季節によって具材の変わるオムレツ
パドルの加藤匡毅によるモダンな空間

「アボカドとライムのオムレツ」¥1,000(税込)。アボカドのさっぱりしたコクとライムの爽やかな味わい、バイマックル(コブミカンの葉)による柑橘系の風味がグラスワインを進ませる。アルザス産シルヴァネールなど、果実味がフレッシュな白ワインと合わせたい。日替わりのグラスワインは1杯¥1,000(税込)、ボトルは1本¥6,000(税込)〜。

“東京のブルックリン”とも呼ばれる清澄白河エリア。5月に開業した「ワインバーガゼボ」は、本家・ブルックリンの倉庫物件にも負けない天井高を誇る。採光窓も大きく、夏の午後に降り注ぐ光と風が心地いい。

提供するのはパテやリエットなどのシャルキュトリーに、オムレツやコンフィ、ステーキなどフランスの食卓でお馴染みの料理だ。季節で具材が変わるオムレツは、6月にはアボガドをトッピング。風味づけにバイマックルを混ぜ、最後にライムを絞ることで、爽やかな一品となる。「ヴァンナチュールが引き立つように、僕は基本、料理にソースを使いません。たとえば豚のローストも、塩とコショウだけで仕上げます」とオーナシェフの新宮朋樹さん。オムレツなどのシンプルな卵料理は白ワインの果実味をグッともち上げる。

ワインは妻・未奈さんの担当で、フランス産を中心に10種ほどグラスで揃うヴァンナチュールから最適な一杯を選んでくれる。またここ数年、カフェやギャラリーの開業で若者が増えた清澄白河の街だが、そこはやはり深川の一角。ご近所さんが楽しげにワインを傾ける光景も下町らしい。誰もが集える、気取らない雰囲気も魅力だろう。

「天井高の開放感が気に入っています」と話す新宮さん。築50年以上、図面も残っていない倉庫を改装して開業した。店舗設計は「アラビカコーヒー京都東山」「ダンデライオンチョコレート蔵前」などを手がける、パドル代表の加藤匡毅が担当。土日は昼飲み仕様のバータイム営業で、14時からゆるりと飲めるのもいい。

お薦めのワインを聞くと、未奈さんが両手いっぱいにボトルを抱えて説明しに来てくれる。「昼酒なら優しめの辛口、泡系白ワイン『プレ アン ビュル 2018シルヴァン ボック』(写真一番左)はどうですか?」。他にも、辛口フルーティーな白ワイン「ローラン・サイヤール ラッキー・ユー! 2018」、ブドウの旨味が強くてエレガントなロゼ「カトリーヌ ベルナール ル・ロゼ 2017」、味わい深くも飲み口軽い赤「レミ・デュフェイトル ブルイィ2016」などをラインアップ。