シャーリーズ・セロンのはじけっぷりも目が離せない、爆笑間違いなしのラブコメ『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』
2020年、初笑いできる映画を探している人に間違いない作品を紹介します。『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』は、突き抜けたギャグの波状攻撃に、何度も爆笑させられるラブコメディ。シャーリーズ・セロンとセス・ローゲンが、“ありえない”ふたりを演じて、極上のケミストリーを見せています。
シャーリーズ・セロン演ずるシャーロットは大統領選に出馬することになった、美しく聡明な国務長官。ある日のパーティで、能力はあるものの頑固な性格に難ありの失業中のジャーナリスト、フレッドに出会います。セス・ロ―ゲン演ずるフレッドはかつてシャーロットに憧れていた、年下の男。シャーロットは彼に大統領選のスピーチ原稿執筆を依頼し、公務のために世界各国を一緒に飛び回ることになります。
側近のスタッフたちが戸惑うなか、正反対のふたりの距離は縮まっていきますが……。
元テレビスターの大統領は俳優復帰を計画中で、政治家としては能無し。そんな説明のあとに、ドラマから映画に進出して成功した人はいない! という例でジェニファー・アニストンの名前を出したりして、政界にも芸能界にも忖度もしがらみもなし。シャーロットがクラブでドラッグをキメたり、なかなかに攻めた下ネタがふたりを引き裂く重要なポイントになっていたりもします。
コメディ俳優のセス・ローゲンが、ここまでやるか! なネタを余裕で披露してくれるのは想定の範囲内ですが、意外なほど弾けているのがシャーリーズ・セロン。完璧な美人が大真面目にやればやるほどかわいらしさが増して目が離せなくなるし、何をやっても下品にならずエレガントなのがこの人のすごいところです。
でこぼこなふたりが巻き起こす騒動やトラブルに大笑いしながらも、青臭い理想と正義を口にする憎めない男と、理想と現実の折り合いをつけながらサバイブする女のすれ違いは、大人の胸にこそ染みるはず。ジェンダーロールに縛られない新しい時代のコメディを実感させてくれるエンディングまで、たっぷりと楽しんでください!
『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』
監督/ ジョナサン・レヴィン
出演/シャーリーズ・セロン、セス・ローゲンほか
2019年 アメリカ映画 2時間5分
TOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開中。
http://longshot-movie.jp