アイスホッケー選手、佐藤つば冴とつくった「プロテインギョウザ」とは?

  • 写真:MEGUMI
  • 編集・文:廣川淳哉

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新しい餃子の話。

vol.12

@togyother

アイスホッケー選手、佐藤つば冴とつくった「プロテインギョウザ」とは?

アートディレクターの古谷萌、コピーライターの鳥巣智行、菓子作家の土谷みお、建築家の能作淳平が、料理人とは異なる視点から新しい餃子づくりに取り組む「トゥギョウザー」。4人が毎回ゲストと会話しながら、これまでにない餃子をつくる。そんな活動です。

12回目のゲストは、軽井沢を拠点に活動するアイスホッケー選手の佐藤つば冴。普段はスポーツジムのトレーナーとして働きながら、アスリートとしても活動しています。この日のトゥギョウザーは、佐藤が出演していたテレビ番組、「テラスハウス」のファンである鳥巣の、こんな話から始まりました。

鳥巣 今年の5月くらいに、「テラスハウスみたいな釣り番組をつくったらいいんじゃないか」と考えたことがあって、その時、改めてなんとなく観始めたんですよ。そしたらもう、寝る間も惜しむくらいハマってしまって。最初に観たのが、佐藤さんが出ていた軽井沢編でした。


佐藤 それはうれしいですね。

鳥巣 そこから、ハワイ編とか全部。トゥギョウザーのメンバーだと、土谷さんはテラスハウスを観ていて、古谷さんと能作さんのふたりはまだ観ていないという状況です。

古谷 軽井沢編は少し観ましたよ。あれ、すごかったですね。

佐藤 もう2年くらい前の話です。

今回のゲストは、アイスホッケーチーム「軽井沢フェアリーズ」の佐藤つば冴。

佐藤と一緒に、それぞれのスポーツ経験について話すトゥギョウザーのメンバーたち。

鳥巣 見ての通り、トゥギョウザーのメンバーは全員、スポーツとは縁遠い感じです。でも、古谷さんは昔、剣道やってたんですよね。

古谷 剣道と野球をやってました。

能作 僕はいまはなにもやってないですけど、サッカーとゴルフをやってました。小中学校でサッカーをやっていて、高校でサッカー部に入ったらヤンキーばかりで。途中で辞めて、なにかスポーツやりたかったんですが、バスケとかはもう差がついてそうじゃないですか。だから、みんながやってなさそうなゴルフと思って入部したら、逆に小さい頃からやっているガチな人だらけでした。

土谷 私は水泳。2歳から高校までやっていました。

鳥巣 僕は中学までサッカーで、その後は写真部に。佐藤さんはいつアイスホッケーを始めたんですか?

佐藤 ちょっと遅くて、小学校3年生から。地元がアイスホッケーが盛んで、周りはみんな、幼稚園とか保育園からやっていましたね。アイスホッケーを始める以前は、スキーもやっていましたよ。

鳥巣 やっぱりウインタースポーツなんですね。以前、アイスホッケーの見学に行ったら、すぐに気に入って始めたというエピソードを記事で拝見しました。

佐藤 スピード感とか、激しい系のスポーツが好きなんです。

鳥巣 テラスハウスでしか見たことないですけど、アイスホッケー、かっこいいですよね。軽井沢フェアリーズは最近どうですか?

佐藤 先日、軽井沢の大会で優勝できたので、あとは2020年2月にある全日本大会で優勝できるようにがんばりたいと思います。

ここで建築家の半田悠人さんが登場。

この日のトゥギョウザーは、かつて映画館だった場所をリノベーションした「元映画館」。日暮里駅近くにあります。

イベントスペースである元映画館には、「CafeBar 銀幕」が併設されています。

ここで、この日のトゥギョウザーの会場となった「元映画館」を手がけた建築家の半田悠人さんが仲間とともに登場。半田さんもテラスハウスへの出演経験があります。会場となった元映画館について、「自分たちで場所をもってつくるデザインに可能性を感じて、2年ほど探してようやく見つけたのがこの映画館でした。28年間閉まっていた場所をリノベーションしイベントスペースにしていて、いまは併設されている『CafeBar 銀幕』にスナックをつくっているところです」と解説してくれました。

ゲストにちなんだ今回のトゥギョウザーのテーマは、「スポーツとギョウザ」。メンバーが用意したアイデアを、佐藤も含めた全員で議論しながらメニューを決めていきます。それでは、4人のアイデアを発表します。

その昔、いかにサボるかを考えていた能作のアイデアは?

学生の時、スポーツの時間をいかにさぼるかばかり考えていたという能作のアイデアは「ハチミツレモンギョウザ」。

ここで、4人が考えてきたアイデアを発表。ゲストの佐藤が最も気に入ったひとつを、みんなでつくって食べてみます。まずは、能作のアイデアから。

能作 振り返ってみても、スポーツをした記憶があまりなくて。思い出したのがランニング中にこっそり水を飲むとか、どうやってうまいこと休もうかということばかり。サッカー部のハーフタイムには、甘くてビタミンCが摂れるハチミツレモンをよく食べていました。ということで、僕のアイデアはジンジャーが入った「ハチミツレモンギョウザ」。先日、ハチミツレモン唐揚げというのを食べたら、ちょっと甘くて美味しくて、ハチミツレモンギョウザも揚げがいいかなと思っています。

鳥巣 休憩に着目したところが、能作さんらしいですね。

古谷の「プロテインギョウザ」は、鶏肉と枝豆と豆腐でつくった炭水化物フリーなギョウザ。

続いて、古谷のアイデアを。

古谷 「プロテインギョウザ」です。といっても、粉のプロテインじゃなくて高タンパク低カロリーな豆腐ギョウザ。餡はササミやもも肉、そして枝豆。皮は豆腐です。

佐藤 へー!

古谷 馬喰町に「中華料理 帆」って店があって、餃子尽くしのコースを頼んだら豆腐餃子が出てきたんです。薄く切った豆腐を折って、それが皮の代わりになっている。豆腐を皮にすれば、炭水化物フリーな餃子ができるというアイデアです。

能作 いいですね。僕もプロテイン餃子までは考えたけど、豆腐の皮は思いつかなかったです。

鳥巣の「カツギョウザ」はげん担ぎという意味を込めて、ギョウザに衣と卵をつけて揚げ、ソースでいただきます。

鳥巣 スポーツする時に餃子を食べようと思わないから、何か食べる理由をつくろうと思ったんです。スポーツには、ルーティンみたいのがあったり、げん担ぎみたいなものがありますよね。だから「カツギョウザ」。試合の前日とかに食べるやつです。餃子の皮で餡を包んだ後、衣と卵をつけて揚げてつくります。

土谷 私たち、こないだ食べたよね。衣がついた揚げ餃子。どこだっけ。

鳥巣 え、すでにあるんだったらだめかも。どこですか?

土谷 埼玉だったかな。フライみたいになってて。

古谷 ソースで食べるんだったかな。

鳥巣 じゃあだめだ(笑)。それもかぶってる。

能作 すでに世の中にあるアイデアを出したらだめというルールは、トゥギョウザーにないので大丈夫ですよ。

土谷のアイデアは、「てるてるギョウザ」。てるてる坊主の形をした皮に餡を入れて、吊るすスタイル。

最後に、土谷のアイデアは?

土谷 私もげん担ぎに近くて。野外のケースが多いスポーツは、天気が左右すると思うんです。つば冴さんがやっているアイスホッケーはインドアだけど、雨の日は低気圧の影響があったり、天気のいい方がコンディションもいいだろうし、雨だとお客さんが減る可能性もある。そう考えて「てるてるギョウザ」にしました。

佐藤 かわいい。

土谷 四角い皮の真ん中に餡を丸く乗せて、キュッと首の部分を絞って包んで、てるてる坊主みたいな形にするというアイデアです。なんとなく水餃子のイメージです。

能作 運動会の前の日とか、てるてる坊主をつくった記憶がよみがえってきました。

その後、佐藤とメンバーでディスカッション。いろいろ話した結果、今回作るのは古谷が考えたプロテインギョウザに決まりました。

かつてないほど難易度が高い、皮が豆腐のギョウザとは?

この日買ってきた食材。豆腐はキメが細かくて弾力がありそうな湯豆腐用を。餡は、ササミと枝豆。むきえびのバージョンも試作しました。

買い出しから戻ったら、さっそく調理スタート。今回のプロテインギョウザは、すべての具材をゆでてから調理して、豆腐で包み、そのまま食べることにしました。

季節的に冷凍の枝豆をセレクト。小さなキッチンで枝豆を茹でて、

湯気がもくもく立つ鍋を運びます。

続いて、ササミもゆでました。

具材がゆであがったら、みんなで小さく刻んでいきます。

しっかり刻みます。

具材を合わせて、

少し潰すイメージで混ぜ、粘り気を出します。

具材はゆでてあるので、あとは豆腐でできた皮で包むだけ。

慎重に豆腐を切るのは土谷。

こんなにうすーく切れました。

そーっと餡を乗せて、包んだら完成です。

佐藤も豆腐切りに挑戦。豆腐を薄く切って、人数分のギョウザをつくるのはけっこう大変でした。

それでは、いただきます。

この白いのが、プロテインギョウザ。さて、いったいどんな味?

今回、一番難しかったのは、豆腐をうすく切って餡を包むこと。慎重に進めないと、豆腐はすぐに切れてしまいます。菓子作家の土谷を中心に豆腐を切って、なんとか人数分のプロテインギョウザが完成。さっそく、みんなで食べてみました。

一同 いただきます。

土谷 美味しい。中華料理で最初に出てくる冷菜みたい。

佐藤 めちゃめちゃさっぱりしたギョウザですね。

鳥巣 味ポンもあいます。冷奴みたいで、夏に食べるのもよさそう。もっといっぱい食べたいです。

能作 僕、豆腐が超好きなんで、冷たくて美味しいです。ヘルシーで、ちょっと風流な感じもしますね。

土谷 上品さもある。

佐藤 プロテイン感はないですね。もちろん、いい意味です。

古谷 低カロリー高たんぱくで、これだけ美味しければ十分ですね。ただ、これをタッパーに入れて、試合とかに持っていくのは無理そうですね。すぐにくずれちゃいそう。

能作 皮が豆腐というのが最大のポイントかつ、それによって難易度がぐっと上がりました。

プロテインギョウザを食べる佐藤。

今回も、楽しくつくって美味しく食べられました。

最後に、今日のギョウザづくりを佐藤さんとメンバーにそれぞれ振り返ってもらいました。

古谷 これまでつくったことがなかった、冷たくてしょっぱい系のギョウザができてよかったです。

土谷 豆腐をご飯の置き換えとして考えると、バリエーションをいくらでもつくれそう。可能性がありますね。鶏肉やえび以外にも、しらすとかザーサイとか。

鳥巣 鮭フレークとか。

土谷 ただ、つくるのがいままでで一番難しかったので、つくる人が限られるのは難点でした。

鳥巣 熟練の技が必要ですよね。僕が思ったのは、挑戦的だったこと。スポーツがテーマだったからこそ、よりチャレンジングな、できるかできないかわからないアイデアを採用できた。アイスホッケーだけでなく、アイスクロスという競技やテラスハウスへの出演まで、さまざまなことにチャレンジする佐藤さんのアスリートとしての姿勢に刺激を受けて、やれるかわからないところを攻められたんじゃないのかなって。

佐藤 普通にめちゃくちゃ美味しかったです。一緒につくったのも楽しくて、こんなにさっぱりした餃子は初めて。ヘルシーで高タンパクでアスリートにもいいなって思います。

鳥巣 素晴らしいコメント。

佐藤 餃子には、こってりしたイメージしかなかったから。

古谷 餃子はどうしても男性が食べる感じがあって、ヘルシーにできたらという考えもありました。アスリートの方は、餃子を食べる機会はあまりないですよね?

佐藤 餃子、大好きですよ。でも、こんなにヘルシーな餃子はなかったので、よかったです。

鳥巣 ネーミングもいいですね。今回、「佐藤さんと一緒につくったプロテイン餃子とは?」みたいなタイトルになると思うんですが、ほかのゲストだと、こういうタイトルは出てこないでしょう。佐藤さんは、焼餃子と水餃子だとどっち派ですか?

佐藤 焼餃子ですね。これまでにみなさんでつくったのは、焼餃子が多かったですか?

古谷 水餃子ですね。今回みたいに焼いたりゆでたりせず、そのまま食べたことはこれまであまりありませんでした。餃子の皮を使わないのも。

土谷 見た目もよかったよね。つば冴さんみたいに、白くてつるっとして清潔感もあって。中国にはほかにも、薄焼き卵を皮にした餃子とか、まだまだいろんな餃子があるみたいです。今回は日本ではあまり知られていない新しい餃子がつくれたので勉強にもなりました。

アイスホッケー選手、佐藤つば冴とつくった「プロテインギョウザ」とは?

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  • 編集・文:廣川淳哉

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