やっぱり貴方のもとへPLAYBACK!? 911ターボはなぜベンチマークと呼ばれるのか?

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    東京車日記いっそこのままクルマれたい!

    第7回 ポルシェ 「911 ターボ」/PORSCHE 911 TURBO

    やっぱり貴方のもとへPLAYBACK!? 911ターボはなぜベンチマークと呼ばれるのか?

    構成・文:青木雄介

    編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー カマロ改。手に入れて11年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

    現行の991型は、羊の皮をかぶった狼そのもの。もちろんリアフェンダーにはターボを表す大きなエアインテークが穿たれ、その下には勲章と呼びたい無数の飛び石の跡(ストーンガードあり)。2000万超のボディに飛び石の跡。格好よすぎだから。

    連載7回目にして早くも911に辿りつきました。こう寒くなると、乗りたくなるのは熱いハートのスポーツカー。暖房切って、きれきれの集中力でいざ首都高へ! オールドポルシェ乗りの皆さんにはちょっと寒すぎですかね。エンジンはしっかり暖めてくださいね。

    さて今回は、911は911でも911ターボ。市販スポーツカー永遠のベンチマークにして、これぞ“The hardest shit(至高のブツ)”。911とは存在それ自体が、スポーツカーの理想を50年以上かけて突きつめてる、ストイックな追求の美に他ならない!

    とにかくその“911ゾーン”とでも呼びたい、ハードな世界観のレンジが極端に狭くて深い。リアエンジンでAWD(4輪駆動)。でもRRに限りなく近い、クーペの安定感とライトウェイトスポーツの軽快さを両取りしてきっちり突き詰めた理想の構成値。そのタイトでマッシブな走りを、最適化されたデュアルクラッチ(PDK)でコントロール。ハンドリングは精妙でイメージしたラインを寸分違わずトレースし、いざという時も完ぺきに止まれるブレーキをもってるので、公道で恐怖を覚えるケースはほぼほぼない。そもそも街乗りで500馬力超えの911ターボのすべてを出し切れるはずもないんだけど、クルーズ状態でさえ、抑制された水平対向エンジンの音を聞いていたいがために、音はいっさい流したくなくなる。それぐらいクルマとシンクロしたくなる。嗚呼、いっそこのままクルマれたいってね! あははは。

    走る、曲がる、止まる。そんな運転の基本所作を自分の身体の延長に拡げていくと、クルマってどれだけ自分の意識と車体をシンクロさせられるかっていうボディスーツの話になる。その意味で911ターボは完ぺきに鍛え上げられた肉体と、知覚や意思伝達が隅々まで行きわたる神経をもった、究極のボディスーツであると断言できる。そうそう、ちなみに911をThe hardest shitと表現したのは、リック・ロスというサイズもビッグなラッパー&プロデューサー。フィジカルな点でも彼は911を気に入ってるだろうけど、何より911はハードコアなプロダクトの代名詞だから、その存在から「刺激を受けていたい」って気にさせられるんだろうと想像する。911は極点であるがゆえに、あらゆるプロダクトの物差しになるんだよね。

    最後にひとつだけ懸念を口にすると、助手席受けは悪いかも知れない。正直、ポルシェの走りを理解してくれるのは山口百恵ぐらいでしょ?そうなると「山口百恵こそ究極」という思いがふつふつ湧いてくる訳だけど、まぁ、個人的には百恵さんが横に乗るなら、いっそハンドルを握って欲しいわね(笑)。俺、喜んで助手席乗るし、みたいな。

    PORSCHE 911 TURBO

    ●エンジン形式:3.8ℓ水平対向6気筒ツインターボ
    ●最高出力:520PS
    ●最大トルク:660N・m
    ●トランスミッション:7速PDK
    ●車両価格 ¥21,280,000

    問い合わせ先:ポルシェ カスタマーケアセンター TEL:0120-846-911
    www.porsche.com/japan/