ルフトハンザが30年ぶりに機体デザインを一新、ツルのロゴもすっきりと軽やかに!

  • 文:久保寺潤子 写真(人物):米田志津美

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ドイツのフラッグ・キャリアとして知られるルフトハンザドイツ航空が、約30年ぶりに機体デザインを一新。この一大リニューアルプロジェクトを統括するアレクサンダー・シュラウビッツ氏に話を伺いました。

「空のハンザ同盟」の意味をもつルフトハンザ。中世ドイツの商人組合を連想させるその名にふさわしく、同社は世界初の航空連合であるスターアライアンスを結成。現在はオーストリア航空、スイスインターナショナルエアラインズ、ユーロウィングスとともにグループを形成し、多様なブランドを有する一大企業へと成長しました。

その伝統あるルフトハンザドイツ航空が、30年ぶりに機体のデザインを変更するというニュースが発表されました。2018年2月に新塗装を施したボーイング747-8型機、エアバスA321型機がお披露目され、現在段階的に塗装の切り替えが行われています。今後は機内のアメニティから空港カウンターに至るまで、新たなブランドイメージが順次採用される予定です。

「グループ全体を貫くデザインを生み出すため、800点以上のデザイン作成、独自のカラー開発を経てデザインが完成しました」

そう語るのは、アレクサンダー・シュラウビッツ氏。ルフトハンザグループのデザイン部門を統括する彼が、今回の壮大なプロジェクトについて教えてくれました。

無駄を削ぎ落とし、機能美を追求したデザインとカラーバランス

アレクサンダー・シュラウビッツ⚫1965年ベネズエラ生まれ。ドイチェ ルフトハンザAG ヴァイス プレジデント。マーケティング担当としてグローバルマーケティング戦略の策定から実行までを統括。

「ルフトハンザの象徴であるツルのロゴが誕生して100年が経ちました。私たちはこの節目に、ブランドのプレミアム感を改めて打ち出す必要性を感じたのです」

今回、ブランド全体のデザインを刷新することとなったきっかけを、シュラウビッツ氏はこう語り始めました。ルフトハンザを象徴する、グラフィックアーティストのオットー・フィルレが100年前に手がけたツルのロゴ。このたび、細部にわたってデザインの見直しが行われ、スリムに生まれ変わりました。ツルを囲む輪のラインはより細くなり、エレガントで軽やかな印象を与えます。また、これまでのイメージカラーであったイエローとブルーのカラーバランスは、より明確に使い分けられることに。

「刷新にあたり、プレミアム感を象徴するブルーをメインカラーに採用しました。機体には信頼性と透明性、バリューを感じさせるブルーを使う一方で、ときめき感や驚きを表すイエローは空港の看板やデジタル機器に取り入れるなど、用途に応じて使い分けることにしました」

デザイン変更前の機体。尾翼部分に描かれたイエローの輪とツルのデザインを惜しむ長年のファンも。
ブルーと白のコントラスト、シャープなツルのデザインがルフトハンザの新しい顔になります。

新デザインの機体の尾翼には、おなじみの黄色い円に囲まれたツルのロゴは姿を消し、深みのあるブルーにシャープなツルが描かれました。上空に向かって羽ばたく機体は、新時代を予感させる存在感を放っています。

「デザインのリニューアルに一貫しているコンセプトは、“より軽く”という点です。われわれは、飛行機のフォルムは美しいものである、という信念を抱いています。装飾的なものは極力排除し、機能的な要素を残すことで、飛行機本来の美しさが現れてくるのです」とシュラウビッツ氏は続けます。

100年前、オットー・フィルレがアナログで描いた偉大なデザインに敬意を表しながら、デジタル時代にふさわしく軽やかに生まれ変わったツルのロゴ。
ツルのロゴに合わせて、書体も細身に変更。

ツルのデザインの変更に合わせ、社名のロゴもより細目の書体に変更され、全体的にすっきりとした印象に生まれ変わりました。

「われわれが目指すのは新しい時代に即したプレミアムな航空会社です。ブルーとイエローが混在している現状を軌道修正し、派手さを抑えたドイツらしい、クリーンなデザインを実現しました」

機能を追求したその先に立ち現れる美しさは、まさにドイツデザインの真骨頂といえます。

デジタル時代にふさわしい、プレミアム感を演出。

「ひと目でわかりやすいように」とデザインされた、スマートウォッチのパネル。
チェックインカウンターには遠くからもすぐに判別できるイエローを採用。搭乗券や乗務員の制服にもイエローが取り入れられています。

デザインのリニューアルに伴い、同社が力を入れているのがデジタル化です。搭乗者とのコミュニケーションをスムースにするために、いまやデジタル機器は欠かせません。

「お客様が搭乗するまでには、予約や確認などさまざまな場面でタッチパネルを用いたコミュニケーションが行われています。たとえばスマートフォンやスマートウォッチ、空港内の案内パネルにはよりスマートに誘導できるシステムデザインを取り入れるほか、eジャーナルの無料ダウンロードなどソフト面でも順次刷新を行います」

無駄を削ぎ落とし、より軽やかに生まれ変わった機体。空の旅を通じて、新しい発見ができるようにとの願いが込められています。

デザインのリニューアルが行われる一方で、顧客へのきめ細やかなサービスも欠かせません。

「ビジネスでフライトを利用する人たちには利便性を、ファーストクラスで旅する人にはエクスクルーシブなサービスを、という具合にお客さまのニーズに合わせた提案もグレードアップしていきます」

多様化する顧客のニーズ、進化するデジタル社会に適応しながら、プレミアムな航空会社としてのイメージをより強化するこのデザインプロジェクトは、7年後に完成するといいます。

「航空会社のデザインリニューアルというのは食器やアメニティキット、ブランケットから機体、空港カウンターに至るまで、およそ800点ものデザインを変える作業です。われわれはあらゆるアイテムにわたって、ルフトハンザのDNAをより強固なものにするべく、デジタルを駆使してデザインを追求しているのです」

デザインは戦略を表現するためのものである、と語るシュラウビッツ氏。よりプレミアムに進化した空の旅を、機上でぜひ体験してください。

●ルフトハンザドイツ航空 www.lufthansa.com

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