ONE MORE THING #29:東京の街を遊びまわる、軽快な街乗り自転車を探しに「RATIO &C」へ。

  • 写真:永井泰史
  • 文:佐藤千紗
  • 編集:山田泰巨 

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外苑前の「RATIO &C」は、たった1種類の自転車とコーヒー、本、バッグなど、自転車にまつわるアイテムを扱うショップです。自転車で街を楽しむアイデアに触れてみましょう。

外苑西通り沿いの開放的なエントランスが目印。コーヒーを飲みにふらりと立ち寄る人も多いそう。自転車のまま入店できるのもうれしい限り。

少し肌寒くなりましたが、街を自転車で走るのにはちょうど良い季節です。颯爽と自転車で行き交う人が多い外苑西通りに面した、ガラス張りの開放感溢れるショップが「RATIO & C」(レシオ・アンドシー)です。

通りから目を引くのは、コーヒーショップの看板。エントランスコーナーに入っているのは、奥沢の「ONIBUS COFFEE」による「レシオ・コーヒーアンドサイクル」です。自転車のまま入店できるので、店内の雑貨や本を見ながらコーヒーで一息ついて、また出発、なんて使い方もできるのがこの店の魅力。そして思わず、置いてある自転車の美しさに見惚れてしまうかもしれません……

店で扱う唯一の自転車「NEOCOT」は、クラシックで洗練された魅力にあふれています。

どんなスタイルにも似合うシンプルで洗練されたデザインのNEOCOT。これならスーツに自転車通勤もサマになります。店の外での試乗もできるので、ぜひ乗り心地を確かめて。
1周年記念で発売されたクロームメッキ仕上げのNEOCOT。スポーティなドロップハンドルを組み合わせました。¥383,400〜

RATIO &Cで扱う自転車は、ブリヂストンのNEOCOT(ネオコット)ただひとつ。

1980年代後半に開発された伝説の名フレームは、レース用バイクとしてオリンピックにも登場しました。現在は競技の一線から退くものの、未だに人気を保つフレームです。これを、ここでしか手に入らないシティバイクとして提案しているのです。「RATIO &C」を企画したブリヂストン・マーケティング部の瀬戸慶太さんは、NEOCOTの魅力について次のように話します。

「クロモリのチューブ同士を溶接することによる、独特のしなやかな走り心地が特徴です。スピードバイクのような気負いもなく、リラックスして快適に乗ることができる。街と街の移動にちょうどよいシティバイクです」

埼玉県上尾市の自社工場で職人によるハンドメイドで溶接されたフレームは流れるような美しいフォルム。シンプルで奇を衒わない魅力は時を経ても色褪せることがありません。どんな風景、どんなファッションにもしっくり馴染む上質で普遍的な自転車です。

ハンドルは4種類から選べます。写真はスーツでも肩が張らないエレガントなスタイル「プロムナード」。自分好みのハンドルをみつけてください。
軽やかでコンパクトなタイプを選べば、雨よけもスタイリッシュに。¥1,296
メイド・イン・ジャパンにこだわる「フェアウェザー」のサドルバッグ(¥8,640)。フレームに取り付けるタイプも用意しています。
組み立て式のカップホルダーは自転車を日常的に楽しむためのプロダクトを作るブランド「moca」のもの。全5色揃います。¥1,080

NEOCOTはすべてがオーダーメイド。カラーは24種類から選べ、クリア塗装の仕上げを3種類、2トーンカラーの塗り分けも含めると、合計128通りものカラーバリエーションがあります。なかでも店内にディスプレイされていた1周年記念のクロームメッキ仕様は、5回も磨き上げたというシルバーの艶と映り込みが実に上品です。納品まで4カ月待ちというのも納得の仕上がりです。クラシックなスタイルにモダンな表情を添え、自転車の魅力を際立たせていました。

メイド・イン・ジャパンの加島サドルを扱う。豊富なラインアップから選べます。
オーバーコートの仕上げは艶あり、セミマット、マットの3種類から選べます。

もちろんカラーの他にも、ハンドル、サドル、ギア、ペダルなどの各種パーツも好みのものを選んで自分だけのバイクをオーダーすることができます。色とハンドルの形状の組み合わせによってシティからスポーツまでスタイルを変えることができるので、自分のライフスタイルに合った愛車を仕立てることができるでしょう。

自転車は工場で手作業によりフレームを溶接し、オーダーに合わせてていねいに塗装されます。こうした作業を経てようやく完成したフレームは「RATIO &C」のメカニックスペースで他のパーツと組み立てられ、出来上がる様子を直接見ることもできるそう。オーダーから納品までは約1カ月。価格はパーツによって異なりますが15万円〜30万円ほどといいます。

カラーバリエは全24色。合計128パターンの中から好みのものをチョイス。シックなスモーキーカラーも豊富です。

さらに自転車を自分仕様にカスタマイズするちょっと珍しいグッズも豊富に揃えています。コーヒーカップホルダーは、コーヒーをテイクアウトしてそのまま移動したい時に便利。他にも、家の中にバイクを収納する時に便利な自転車スタンドや折り畳みできるヘルメットなど、「こんなものあったらいいな」という道具を発見しながら店内を見て歩く楽しさにあふれています。

NEOCOTのようにスマートな自転車に似合う都会的なグッズをセレクトしており、ますます自転車ライフが快適になりそうです。

自転車を通してライフスタイルを発信する、コミュニティーを広げる基地。

奥沢のONIBUS COFFEEによる「レシオ・コーヒーアンドサイクル」。カフェスペースも広々としていて、wifiと電源が完備なのもうれしい。

RATIO &Cを魅力的にしているのは、自転車を扱うだけにとどまらないという点にあるでしょう。メッセンジャーバッグやアパレル、アウトドアグッズなどの雑貨や本も置いてあって、自転車を取り入れた生活のイメージが広がります。ふらりと立ち寄れるコーヒーショップがあり、さまざまなイベントが開催され、ゆるやかなコミュニケーションスペースとして機能しています。

「自転車ショップだと敷居の高さを感じられますが、カフェがあると店内に入ってきやすいのではないでしょうか。自転車に興味をもっていなかった人にも、その魅力を伝えていく場所として考えました」と瀬戸さんは言います。

店内には自転車の駐輪スペースがあり、自転車のまま入店ができます。コーヒーを飲みながら、愛車を眺めつつ自転車談義に花を咲かせる常連さんも。
ライドイベント「レシオ ワークショップアンドサイクル」のツアーマップが掲載されたリーフレット。これを参考に楽しむのもお薦めです。

またRATIO &Cは数あるイベントを行っていますが、なかでもいちばんの目玉はライドイベント。「レシオ ワークショップアンドサイクル」は現役メッセンジャーのガイドのもと、東京のものづくりの街を自転車で訪れるというプログラムです。

これまで、蔵前でのノートづくりや浅草での江戸切子体験、富ヶ谷でのレタリングなどを体験するプログラムを重ねてきました。NEOCOTの貸し出しも行っているので、自転車を持っていない初心者や試乗希望者も参加OK。会話や食事を楽しみながら、ゆっくりと東京の街を感じる街乗りの楽しさを教えてくれます。他にもコーヒーのカッピングや試乗会など、人が集まり、つながる催しが頻繁に行われているので、チェックしてみてください。

階段下のベンチはファミリーで過ごす人も多いそう。家族連れやカップルで訪れても、絵本や雑貨、コーヒーがあり、退屈しません。
トロント発のメッセンジャーバッグブランド「YNOT」のバッグパックは、マグネット式のバックルで開閉もスマート。¥25,000
日本のメンズブランド「ミーンズワイル」のコーデュラナイロンを使ったリュックサック、 左2つ「Outside」各¥51,840、右「Retrofitted」¥27,864
手前右奥はカギを使わなくてもスマートフォンがあれば施錠・解錠が可能なBluetooth搭載のスマート南京錠「Noke」。¥12,960
自転車でも運びやすい軽やかなピクニックセット。紙製のピクニックラグ(¥1,404)など、ひと捻りあるアイテムが多い。

コーヒーと自転車は相性がよく、海外の人気コーヒーショップの前には自転車スタンドがあって、大量生産から自分たちの手にコーヒーを取り戻すサードウェーブの動きと、街を自分の身体を使って移動する、アナログでエコロジカルな自転車のムーブメントはシンクロしていることを感じます。

RATIO &Cを訪れると、そんな自転車を通した生活やコミュニティーが見えてきます。近所の自転車好きの常連さんや、自転車通勤をするファッショナブルな勤め人が立ち寄るRATIO &C。そこには、自転車に乗ることで生活がアクティブに変わる……そんな空気が漂います。自転車を取り入れた新しいライフスタイルを見ながら、まずはおいしいコーヒーを楽しんでみるのはいかがでしょう。

RATIO &C
住所:東京都渋谷区神宮前3-1-26 1F
TEL: 03-6438-1971
営業時間:8時30分〜19時(月、火、木、金 ただし商品販売は10時から) 10時〜19時(土、日)
定休日:水曜日

ONE MORE THING #29:東京の街を遊びまわる、軽快な街乗り自転車を探しに「RATIO &C」へ。

  • 写真:永井泰史
  • 文:佐藤千紗
  • 編集:山田泰巨 

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